細胞・組織・器官を混同する説明を直そう
このレッスンの役割
前のレッスンまでに、細胞から個体までの階層と、器官どうしの物質の受け渡しを学びました。今回は、説明の主語がどの階層かを確かめ、部分と全体を混同する誤りを直します。
完成の目安は、誤った文のどこで階層が飛んだかを示し、細胞→組織→器官→個体の段階を補って書き直せることです。
知る・理解する
科学の説明では、「何が」働いたのかを明確にします。
| 主語 | 説明できることの例 |
|---|---|
| 細胞 | 一個の細胞が縮む、物質を取り入れる |
| 組織 | 似た細胞の働きが重なり、層や束として働く |
| 器官 | 複数の組織が協力し、消化や運搬などを行う |
| 個体 | 複数の器官が協力し、生命活動を続ける |
上の誤った説明は、筋細胞一個の変化だけで個体全体の運動を説明しています。下のように、同じ働きが組織でまとまり、器官の運動になり、ほかの器官とも協力する段階をつなぐ必要があります。
例題で使う・転用する
誤答「葉緑体が水を根から葉へ運ぶので、植物は光合成できる」を直します。
まず主語を確認します。葉緑体は細胞内のつくりで、主に光合成に関わります。水の長距離運搬は、根・茎・葉に続く運搬の組織と器官どうしの協力によります。
修正文は「根が水を取り入れ、茎などの運搬に関わる組織を通して葉へ届ける。葉の細胞にある葉緑体は、その水と二酸化炭素を使って光合成を行う」となります。
よくある間違いを直す
用語を同じ意味で使わないようにします。心臓は細胞でも組織でもなく、複数の組織からできた器官です。
一部の働きを器官全体の働きと同じにしません。筋組織は縮みますが、胃の働きには消化液を出す組織なども必要です。
逆に、個体全体の変化を一個の細胞だけのせいにしません。資料が示す組織・器官の範囲を確認し、影響の経路を一段ずつ書きます。
理解チェックと次の一歩
確認1:「心臓という組織」は正しい?
正しくありません。心臓は筋組織など複数の組織からできた器官です。確認2:「筋細胞が縮む」から「腕が動く」までの間に何がある?
多数の筋細胞の働きが筋組織の力になり、筋肉という器官が骨などと協力して腕を動かします。確認3:階層を混同しない書き方のコツは?
各文の主語を確認し、細胞・組織・器官・個体のどの段階の変化かを明記します。次は複数の資料を組み合わせ、未知の生物について階層と協力を一つの説明にまとめます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。