LESSON 01

組織から器官・個体へ

細胞・組織・器官を混同する説明を直そう

「組織から器官・個体へ」第5段階。説明の主語と階層を一致させます。

細胞・組織・器官を混同する説明を直そう

このレッスンの役割

前のレッスンまでに、細胞から個体までの階層と、器官どうしの物質の受け渡しを学びました。今回は、説明の主語がどの階層かを確かめ、部分と全体を混同する誤りを直します。

完成の目安は、誤った文のどこで階層が飛んだかを示し、細胞→組織→器官→個体の段階を補って書き直せることです。

知る・理解する

科学の説明では、「何が」働いたのかを明確にします。

主語 説明できることの例
細胞 一個の細胞が縮む、物質を取り入れる
組織 似た細胞の働きが重なり、層や束として働く
器官 複数の組織が協力し、消化や運搬などを行う
個体 複数の器官が協力し、生命活動を続ける

階層を飛ばした説明と段階をつないだ説明一個の細胞から個体へ直接結ぶ誤りを、組織と器官を通す因果へ修正する誤り:階層を飛ばす一個の筋細胞個体が動く修正:段階をつなぐ筋細胞が縮む筋組織が力を出す器官が動く個体が運動する

上の誤った説明は、筋細胞一個の変化だけで個体全体の運動を説明しています。下のように、同じ働きが組織でまとまり、器官の運動になり、ほかの器官とも協力する段階をつなぐ必要があります。

例題で使う・転用する

誤答「葉緑体が水を根から葉へ運ぶので、植物は光合成できる」を直します。

まず主語を確認します。葉緑体は細胞内のつくりで、主に光合成に関わります。水の長距離運搬は、根・茎・葉に続く運搬の組織と器官どうしの協力によります。

修正文は「根が水を取り入れ、茎などの運搬に関わる組織を通して葉へ届ける。葉の細胞にある葉緑体は、その水と二酸化炭素を使って光合成を行う」となります。

よくある間違いを直す

用語を同じ意味で使わないようにします。心臓は細胞でも組織でもなく、複数の組織からできた器官です。

一部の働きを器官全体の働きと同じにしません。筋組織は縮みますが、胃の働きには消化液を出す組織なども必要です。

逆に、個体全体の変化を一個の細胞だけのせいにしません。資料が示す組織・器官の範囲を確認し、影響の経路を一段ずつ書きます。

理解チェックと次の一歩

確認1:「心臓という組織」は正しい?正しくありません。心臓は筋組織など複数の組織からできた器官です。
確認2:「筋細胞が縮む」から「腕が動く」までの間に何がある?多数の筋細胞の働きが筋組織の力になり、筋肉という器官が骨などと協力して腕を動かします。
確認3:階層を混同しない書き方のコツは?各文の主語を確認し、細胞・組織・器官・個体のどの段階の変化かを明記します。

次は複数の資料を組み合わせ、未知の生物について階層と協力を一つの説明にまとめます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。