一つの細胞も生命活動を行うと捉えよう
このレッスンの役割
「生物の体をつくる基本単位」6本の3本目です。ここまでで細胞を見つけ、植物と動物に共通する基本を比べました。ここでは「細胞は体を組み立てるだけの材料なのか」という問いを解きます。
今日のゴールは、細胞が外から物質を取り入れ、内部で利用し、不要な物質を外へ出す生命活動の場だと説明することです。呼吸や消化を器官ごとに詳しく学ぶのは後のセクションなので、今は細胞に共通する流れをつかみます。
知る・理解する
れんがは自分で栄養を取り入れたり、増えたりしません。しかし細胞は、周囲から必要な物質を取り入れ、内部で生命活動に使い、できた不要物を外へ出します。細胞は体の材料であると同時に、生命活動を行う基本単位です。
ゾウのような多細胞生物では、多数の細胞が役割を分け合います。一方、ミカヅキモやゾウリムシのような単細胞生物は、一つの細胞だけで一個体です。どちらの場合も、生命活動の出発点が細胞であることは同じです。
| 生物 | 細胞の数 | 生命活動の行い方 |
|---|---|---|
| ゾウリムシ | 1個 | 一つの細胞が取り入れ・移動・排出などを担う |
| ヒト | 多数 | 異なる細胞が役割分担し、協力する |
| 植物 | 多数 | 根・茎・葉などの細胞が役割分担する |
例題で使う・転用する
ある単細胞生物を水中で観察すると、えさの粒を取り込み、しばらく後に不要な物質を外へ出し、自分で移動しました。
問「この観察が、細胞を生命の基本単位と考える証拠になる理由を説明しなさい。」
「一つの細胞だけでできた生物が、物質の取り入れ・排出・移動という生命活動を行っているから」と答えます。細胞の数が一つでも、生物として生きられる例があるためです。
多細胞生物の筋肉の細胞に置き換えても考え方は同じです。細胞は酸素や養分を受け取り、活動に使います。ただし筋肉の細胞一つだけでヒト個体のすべての生命活動を行うわけではなく、ほかの細胞と協力します。
よくある間違いを直す
「細胞は体を支える動かない箱」は不十分です。細胞の中では物質が使われ、周囲との出入りも続いています。
「一つの細胞しかないものは生物ではない」も誤りです。細胞一つで生命活動を行う単細胞生物がいます。大切なのは大きさや細胞数ではなく、生命活動を行っていることです。
理解チェックと次の一歩
確認1:細胞がれんがと違う点は?
細胞は物質を取り入れ、内部で利用し、不要物を出すなどの生命活動を行います。確認2:単細胞生物と多細胞生物の共通点は?
どちらも細胞を生命活動の基本単位としていることです。確認3:多細胞生物の一つの細胞は個体のすべての仕事をする?
いいえ。多くの場合、異なる細胞が役割分担し、互いに協力して個体を保ちます。細胞が生きた働きをもつ単位だと理解できました。次は、多数の細胞がどのようにまとまり、個体までつながるかを大きな地図として整理します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。