倍率・実寸・体の階層を一つの説明につなげよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、像の特徴から細胞の種類や働きを判断しました。今回は「どれくらいの大きさか」と「体のどの段階か」を組み合わせます。
倍率計算を独立した算数で終わらせず、見えている細胞が組織や器官の一部であることまで説明できるようにします。
知る・理解する
総合倍率は、接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率です。接眼10倍、対物40倍なら400倍です。倍率を上げても細胞そのものが大きくなるわけではなく、見かけが大きくなり、実際に見える範囲は狭くなります。
視野の直径が2.0 mmで、細胞が横に約10個すき間なく並ぶなら、一個の幅はおよそ2.0÷10=0.20 mmです。これは見積もりなので、重なりやすき間が大きいと精度は下がります。
細胞が集まり、同じような働きをするまとまりが組織です。複数の組織が組み合わさり、特定の働きをするまとまりが器官です。そして複数の器官が協力して個体の生命活動を支えます。
具体例で使う
例題:視野の直径が1.5 mmで、細胞が直径方向に約6個並んでいる。細胞一個の幅を求め、その像が「組織」を示す理由を説明しなさい。
計算は1.5÷6=0.25 mmです。説明は「同じような形の細胞が多数集まり、連続したまとまりをつくっているため、組織の一部と考えられる」とします。数値だけでなく、複数の細胞がまとまりとして働く階層へつなぎます。
単位にも注意します。1 mm=1000 μmなので、0.25 mm=250 μmです。問題で指定された単位へ最後にそろえます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「400倍の像だから細胞の実際の大きさも400倍になった」は誤りです。変わるのは見かけの大きさです。
「大きな生物は一個一個の細胞も必ず大きい」も誤りです。多細胞生物の大きさは、主に細胞の数や並び、組織・器官の構成と関係します。細胞一個の大きさだけでは決まりません。
「細胞が何個か写っているから器官」も階層の飛び越しです。まず細胞の集まりが組織をつくり、複数の組織が器官をつくります。
自分で確かめよう
確認1:接眼15倍、対物10倍の総合倍率は?
15×10=150倍です。確認2:視野2.4 mmに細胞が8個並ぶ。幅はおよそ何mm?
2.4÷8=0.30 mmです。μmなら300 μmです。確認3:倍率を上げると、実物の細胞と視野はどうなる?
実物の細胞は変化しません。見かけは大きくなり、視野は狭くなって見える細胞数は減ります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。