見えにくい音叉の振動を確かめる問いをつくろう
このレッスンの役割
前のセクションでは、物質の粒子が振動を隣へ渡すことで音が伝わると学びました。ここでは、音の実験によく使う音叉を調べます。音は聞こえるのに枝の動きが目で追いにくいとき、どんな証拠を集めれば「音叉が振動している」と判断できるか、問いをつくることが目標です。
知る・理解する
音叉は、U字形の二本の枝と、下の柄からできています。ゴム製の打撃台で枝の一方を軽く打つと、二本の枝がすばやく内外へ動き、音が出ます。動きが速く幅も小さいため、見ただけでは止まっているように感じることがあります。
見えないから動いていない、と結論づけてはいけません。直接見えにくい現象は、別の物体に起こる変化を手がかりにします。
- 枝を水面へ軽く触れさせ、水滴や波紋が生じるか見る。
- つるした軽い球へ枝を触れさせ、球がはじかれるか見る。
- 枝を安全に止めたとき、音も止まるか比べる。
安全のため、机や硬い金属で強く打ちません。音叉を耳へ近づけすぎず、枝が振動している間に顔を近づけません。正しい実験は、大きな音を出すことではなく、小さな変化を確実に比べることです。
具体例で使う
鳴らした音叉を見ても枝の動きが分からなかったとします。このとき「枝は振動していない」とは言えません。「鳴らした音叉の枝を軽い球へ触れさせると、鳴らしていない音叉の場合より球は大きくはじかれるか」と問いを変えます。
変える条件は音叉を鳴らしたかどうかです。球の重さ、触れさせる位置、音叉と球の距離はそろえます。この形なら、目で追えない枝の動きを球の運動として確かめられます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「音が聞こえたから振動したはず」は予想としてはよいですが、この実験の証拠にはまだなっていません。また、柄を握る手の動きを見て枝の振動と決めることもできません。調べたいのは、音を出している枝そのものです。
次は、水面と軽い球を使い、音叉を鳴らした場合と鳴らしていない場合を実際に比べます。
自分で確かめよう
確認1:音叉のどの部分が主に振動して音源になりますか。
U字形の二本の枝です。柄は音叉を持ったり共鳴箱へ振動を伝えたりする部分です。確認2:枝の動きが見えないだけで「振動していない」と言えないのはなぜですか。
振動が速く幅も小さいため、目で追えない可能性があるからです。別の物体に現れる変化を調べます。確認3:見えにくいスマートフォンのスピーカー膜の振動は、何を使って確かめられますか。
軽い紙片や薄い膜などを近づけ、音を出した場合と出さない場合の動きを比較できます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。