入試問題を現象・資料・求める量に分解しよう
このレッスンの役割
ここは「音の性質」コース最後の「音の性質の入試総合」セクション(15 / 15)の第1レッスンです。これまでに、音源の振動、媒質、波形、弦、音速、反射、実験計画を一つずつ学びました。入試では、それらが一つの長い問題文と複数の資料にまとめて出されます。
今回完成させる力は、問題を一度に解こうとせず、現象・与えられた資料・求める量へ分け、設問ごとに使う考えを選べることです。次のレッスンでは、装置図・波形・表・グラフへ実際に印を書き込みます。
知る・理解する
長い問題には、すべての数字を最初の設問で使うとは限りません。設問は前の答えを次へ使うこともあれば、別の資料だけで答えることもあります。最初に三つへ分けます。
音の問題を分類する目印です。
| 資料や言葉 | 最初に考える内容 |
|---|---|
| 波形の上下の大きさ | 振幅と音の大きさ |
| 同じ時間内の波の回数 | 振動数と音の高さ |
| 弦の長さ・張り・太さ | 振動数が変わる条件 |
| 距離と到着時間 | 速さ=距離÷時間 |
| 遅れて戻る音 | 反射と往復距離 |
| 変える条件・測定回数 | 公平な比較とばらつき |
目印だけで答えを決めず、軸や単位、比較条件を読みます。「波が大きい」という見た目だけでは、振幅が大きいのか、一周期が長いのかを区別できません。
具体例で使う
次の総合問題を想定します。
「同じ弦に200 gと400 gのおもりをつるして音を出し、マイクで10 ms分の波形を記録した。さらに音源から510 m離れた観測点で音が1.5 s後に届き、崖からの反射音が0.60 s遅れて聞こえた。振動数、音速、崖までの距離、実験の改善を答えよ。」
分解すると次の通りです。
- 弦の条件:200 gと400 g。張りが違う。
- 波形:10 ms内の振動回数から振動数を求める。
- 直接音:510 mと1.5 sから音速を求める。
- 反射音:0.60 sは往復時間。音速を使って崖までの片道距離を求める。
- 実験:長さ・太さ・材質をそろえたか、複数回測ったかを評価する。
最初の「振動数を求めよ」には、510 mや0.60 sは不要です。波形の横軸単位と周期または振動回数を使います。すべての数字を一つの式へ入れようとしません。
設問の答えを次の設問へ使う場合は、途中結果に単位を付けて残します。音速を340 m/sと求めたなら、反射音の距離計算へその値を渡せます。
誤答を直して次の学びへつなげる
問題文に出た順番で、すべての内容を一度に解く必要はありません。設問が「波形AとBの音の高さを比べよ」なら、まず同じ時間幅と振動回数を見ます。弦のおもりの説明は、理由を問われたときに使います。
「数字は全部使うはず」という考えも修正します。条件を説明するだけの数値や、後の設問で使う数値があります。求める量の単位から必要な関係を考えます。
次のレッスンでは、装置図へ変える条件とそろえる条件、波形へ時間幅と振幅、表へ比較する行、グラフへ軸と傾きを書き込み、読み落としを減らします。
自分で確かめよう
確認1:長い入試問題を最初に何へ分けますか?
何が起きたかという現象、与えられた装置図・波形・表・グラフなどの資料、設問が求める量へ分けます。確認2:波形から振動数を求める設問で、崖からの反射時間は必ず使いますか?
使いません。波形の時間幅と振動回数または周期を使います。反射時間は別の設問で使う可能性があります。確認3:求める量が音速なら、どの量と単位を探しますか?
音が進んだ距離mと、進むのにかかった時間sを探し、距離÷時間でm/sを求めます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。