LESSON 01

音の性質の入試総合

弦・波形・音速・反射の複合計算を解こう

波形の振動数、弦の高低、音速、反射面までの距離を小問へ分け、単位付きで解きます。

弦・波形・音速・反射の複合計算を解こう

このレッスンの役割

このセクションの第4レッスンです。前のレッスンでは、音源の振動、振幅・振動数、弦の条件、音速、反射を一枚の因果モデルへつなぎました。今回は、一つの入試問題の中で、波形から振動数、距離と時間から音速、反射時間から距離を順に求めます。

今回完成させる力は、各段階で求める量・使う資料・単位・途中結果を残し、前の答えを次へ正しく渡すことです。次のレッスンでは、計算は合っていても量の意味を取り違えた誤答を修正します。

知る・理解する

複合計算は、一つの長い式へまとめません。設問ごとに小さな仕事へ分けます。

音の複合計算を四つの小問へ分ける波形の時間と周期数から振動数、弦条件から高さ、距離と時間から音速、音速と反射時間から片道距離へ進む1 波形回数÷時間振動数 Hz2 弦条件長さ・張り・太さ音の高低3 直接音距離÷時間音速 m/s4 反射音速さ×時間÷2片道距離 m各段階で「何を求めた値か」と単位を書く前の答えを使う前に、意味と経路を確認する高さを求める数字と、速さを求める数字を混ぜない

計算の対応表です。

求める量 使う関係 単位確認
振動数 振動回数÷時間 1/s = Hz
音速 距離÷時間 m/s
反射面までの距離 音速×往復時間÷2 m

msをsへ直してから計算します。20 msは0.020 sです。反射時間は、直接音から反射音までの時間差であり、基本配置では往復経路に対応します。

具体例で使う

総合問題の条件です。

  • 波形Aは20 msに5周期、波形Bは20 msに8周期ある。
  • 弦Aは長さ60 cm・おもり200 g、弦Bは長さ40 cm・おもり400 gである。太さと材質は同じ。
  • 音源から1020 m離れた観測点へ3.0 sで直接音が届いた。
  • 音源の近くで、直接音の0.50 s後に壁からの反射音が届いた。

小問1、波形Aの振動数です。20 ms=0.020 sなので、5÷0.020=250 Hzです。Bは8÷0.020=400 Hzです。同じ時間内の回数が多いBの方が高い音です。

小問2、弦条件と高さです。Bは短く、張りも強いと考えられ、どちらも振動数を大きくする向きです。実測波形でもBが400 Hzなので、Bが高いと分かります。ただし、この比較だけで「長さだけの効果」や「張りだけの効果」を数量的に分けることはできません。

小問3、音速です。1020 m÷3.0 s=340 m/sです。弦AとBの高さが違っても、この空気中の計算では同じ音速を使います。

小問4、壁までの距離です。0.50 sで音が進んだ往復距離は340×0.50=170 mです。片道は170÷2=85 mです。答えは85 mであり、170 mは往復距離です。

誤答を直して次の学びへつなげる

20 msに5周期を5÷20=0.25 Hzとする誤りは、msをsへ直していません。0.020 sへ直すか、1秒は1000 msなので5×1000÷20=250 Hzとします。

波形Bの振動数400 Hzを音速として反射計算へ使うのは、振動数Hzと速さm/sを混同しています。反射距離には、直接音の距離と時間から求めた340 m/sを使います。

次のレッスンでは、振幅と振動数、弦条件の複数変更、速さの割る向き、反射の÷2、実験結論の範囲という五つの取り違えを根拠から直します。

自分で確かめよう

確認1:25 msに5周期ある波形の振動数は何Hzですか?`25 ms=0.025 s`なので、`5÷0.025=200 Hz`です。
確認2:音が680 mを2.0秒で進む速さは何m/sですか?`680÷2.0=340 m/s`です。
確認3:音速340 m/s、反射時間0.40秒なら壁まで何mですか?往復距離は`340×0.40=136 m`、片道距離は`136÷2=68 m`です。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。