光が見えてから音が届く遅れを距離と時間で捉えよう
このレッスンの役割
ここは「音の性質」コースの「音の速さを求めよう」セクション(11 / 15)の第1レッスンです。前のセクションでは、弦の長さ・張り・太さが振動数と音の高さを変えることを学びました。ここからは問いを変え、音が空気中をどれくらいの速さで進むのかを調べます。
今回完成させる力は、光と音の到着のずれを見たときに、音が進んだ距離と時間を取り出せることです。まだ公式を急いで使いません。まず「何が同時に起こり、何の到着が遅れたのか」を因果で説明します。この見方が、次のレッスンで測定方法を設計する土台になります。
知る・理解する
夜空の花火は、光が見えたあとに音が聞こえます。雷も、稲妻が見えてから少し遅れて雷鳴が届くことがあります。花火が光ったあとで音を出したわけではありません。光と音は、ほぼ同じ出来事から生まれますが、空気中を進む速さが大きく違うため、到着時刻がずれます。
中学校の音の計算では、光が観察者へ届くまでの時間は、音の時間に比べて非常に短いので無視します。そのため、光を見てから音を聞くまでの時間を、音が音源から観察者まで進むのにかかった時間とみなします。これは現実を学びやすくする近似です。
観察から取り出す量は二つです。
| 量 | 何を表すか | 花火の場面 |
|---|---|---|
| 距離 | 音源から観察者まで音が進んだ長さ | 花火の場所から自分まで |
| 時間 | 音がその距離を進むのにかかった長さ | 光を見てから音を聞くまで |
ここで大切なのは、音の高さや大きさと、音の進む速さを分けることです。高い音だから速く届く、強い音だから速く届く、とは中学校で扱う空気中の音では考えません。同じ空気の状態なら、音の速さを共通の値として扱います。
具体例で使う
観察者から680 m離れた場所で花火が上がり、光を見てから音が聞こえるまで2.0秒でした。
この段階で書くべき事実は次の通りです。
- 音が進んだ距離は680 mである。
- 音が進んだ時間は約2.0秒である。
- 光の到着時間は、音の時間に比べて非常に短いので無視している。
680 mを2.0秒で進んだということは、1秒あたりに進む距離は約340 mだと予想できます。正式な式の意味は第3レッスンで組み立てます。今は「遠いほど音の到着まで長くかかる」という関係を、距離と時間の言葉で捉えられれば十分です。
別の花火が同じ方向で、先ほどより遠くに見え、光と音のずれも大きくなりました。同じ空気中を同じくらいの速さで音が進むなら、遅れが大きいことは距離が長いことの手がかりになります。ただし、正確な距離を求めるには時間を測り、使う音速を明示する必要があります。
誤答を直して次の学びへつなげる
「花火は光ってから2秒後に音を出した」という説明は、発生時刻と到着時刻を混同しています。直すときは、出来事を「音源で発生」と「観察者へ到着」に分けます。花火の場所では光と音がほぼ同時に生まれ、進む速さの違いによって観察者への到着がずれた、と説明します。
「高い音ほど速く届く」という説明も、この問題では使いません。音の高さは振動数、音の大きさは振幅に主に関係します。音が空気中を進む速さとは別の量です。
次のレッスンでは、音源から観察者までの距離と、音が届くまでの時間をどのように測ればよいかを考えます。特に、音を出した瞬間を耳だけで決めることの難しさと、目で見える合図を使う意味を確かめます。
自分で確かめよう
確認1:花火の光と音がずれて届く理由は何ですか?
花火の場所では光と音がほぼ同時に生まれますが、光は音よりはるかに速く進むため、光が先に、音があとに観察者へ届きます。確認2:「光を見てから音まで3秒」を何の時間とみなしますか?
光の到着時間を無視し、音が音源から観察者まで進むのにかかった約3秒とみなします。これは中学校の計算で使う近似です。確認3:同じ方向の二つの花火で、音の遅れが1秒と4秒でした。どちらが遠いと考えられますか?
同じ空気中を音がほぼ同じ速さで進むとすれば、遅れが4秒の花火の方が遠いと考えられます。正確な距離には測定した時間と音速が必要です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。