速さが距離÷時間になる理由を音の移動から説明しよう
このレッスンの役割
このセクションの第3レッスンです。前のレッスンでは、音源と観察者の距離を測り、目で分かる合図から音が届くまでの時間を複数回測りました。今回は、そのデータを「1秒あたりに進む距離」へ変換し、速さの式を意味から作ります。
今回完成させる力は、速さ=距離÷時間を、数字の並べ方ではなく「全体の距離を、かかった秒数で等分する」と説明できることです。この理解を、次のレッスンの単位変換と三量計算へ渡します。
知る・理解する
速さは、一定の時間あたりにどれだけ進むかを表す量です。空気中の音が680 mを2.0 sで進んだなら、680 mを2等分すると、1 sあたり340 m進んだことになります。
式と単位を一緒に書くと、意味を確認できます。
速さ = 距離 ÷ 時間
680 m ÷ 2.0 s = 340 m/s
単位 m/s は「メートル毎秒」と読み、「1秒あたり何メートルか」という意味です。答えが s/m になったなら、「1 mあたり何秒か」を表しており、速さではありません。単位は飾りではなく、割る向きを確かめる手がかりです。
三つの量は意味から戻せます。
| 求めたい量 | 考え方 | 式 |
|---|---|---|
| 速さ | 1秒あたりの距離 | 距離 ÷ 時間 |
| 距離 | 1秒あたりの距離を秒数分集める | 速さ × 時間 |
| 時間 | 全距離に1秒分がいくつ入るか | 距離 ÷ 速さ |
公式を三角形の配置だけで覚えると、問題の経路や単位が変わったときに迷います。「1秒あたり」「何秒分」「何個分」という意味に戻ると、式を自分で作れます。
具体例で使う
音が1020 mを3.0 sで進みました。速さを求めます。
- 求めるのは1秒あたりの距離です。
- 全体の1020 mを、かかった3.0 sで等分します。
1020 m ÷ 3.0 s = 340 m/sです。- 3.0 sの間に進む距離へ戻すと、
340 m/s × 3.0 s = 1020 mとなり、元の条件と一致します。
次に、音速を340 m/sとして、5.0 sで進む距離を考えます。1秒分の340 mが5個あるので、340 m/s × 5.0 s = 1700 m です。割るか掛けるかを暗記したのではなく、1秒分を5個集めました。
音が850 m進むのにかかる時間なら、850 mの中に340 mが何個分あるかを考え、850 m ÷ 340 m/s = 2.5 s とします。掛け戻すと 340 × 2.5 = 850 です。
誤答を直して次の学びへつなげる
680 mを2.0 sで進む音について、2.0 ÷ 680 と計算すると単位は s/m です。これは1 m進むのに何秒かを表す値で、m/sで表す速さではありません。「求めたいのは1秒あたり何mか」と言い直し、距離を時間で割ります。
また、空気中の音速はいつでも完全に340 m/sというわけではありません。気温などで少し変化します。ただし、中学校の問題では問題文の指定値を使い、指定がなければ約340 m/sとして扱う場面が多くあります。測定値が338 m/sなら即座に間違いと決めず、測定条件と誤差も確認します。
次のレッスンでは、0.68 kmや170 msのように単位がそろっていないデータを扱います。式へ入れる前に単位をそろえる理由を、今学んだ m/s の意味から判断します。
自分で確かめよう
確認1:速さが距離÷時間になる理由を説明してください。
全体の距離を、進むのにかかった秒数で等分すると、1秒あたりに進む距離が求まるからです。確認2:距離÷時間の単位はなぜm/sですか?
メートルで表した距離を秒で表した時間で割るので、1秒あたり何メートルかを表すm/sになります。確認3:音速340 m/sで音が1360 m進む時間を求めてください。
1360 mの中に340 mが4個分あるので、`1360 m ÷ 340 m/s = 4.0 s` です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。