原点を通る直線と傾きから音の速さを説明しよう
このレッスンの役割
このセクションの第3レッスンです。前のレッスンでは、時間を横軸、距離を縦軸にして測定値を点で表しました。今回は、一定の速さなら点がなぜ原点を通る直線上に並び、その傾きがなぜ音速を表すのかを説明します。
今回完成させる力は、二点間の縦の増加量を横の増加量で割り、単位m/sを含めて音速と結び、二本の直線の速さを比較できることです。次のレッスンでは、グラフから未知の距離や到着時間を読み取ります。
知る・理解する
音を出した瞬間を時間0 s、音源から進んだ距離を0 mとします。一定の音速なら、時間が2倍で距離も2倍になるため、点は原点を通る直線上に並びます。
傾きは、横方向に時間がどれだけ増えたとき、縦方向に距離がどれだけ増えたかを表します。
傾き = 距離の増加量 ÷ 時間の増加量
単位はm÷sなのでm/sです。これは速さの単位と同じであり、距離・時間グラフの傾きは音速を表します。
傾きを求める二点は、直線上で読みやすい点を選びます。測定点そのものだけに限定せず、目盛りの交点を選ぶと差を計算しやすくなります。
| 二点 | 距離の増加量 | 時間の増加量 | 傾き |
|---|---|---|---|
| (0.5 s, 170 m)と(2.0 s, 680 m) | 510 m | 1.5 s | 340 m/s |
(680-170) m ÷ (2.0-0.5) s = 510÷1.5 = 340 m/sです。原点以外の二点を使うときは、縦も横も同じ順で差を取ります。
具体例で使う
直線Aは1.0 sで340 m、直線Bは1.0 sで250 mの位置を通ります。時間の増加量が同じ1.0 sなら、距離の増加量が大きいAの方が傾きが急で、速さも大きいと判断できます。
直線が(0.4 s, 136 m)と(1.4 s, 476 m)を通るとします。距離の差は340 m、時間の差は1.0 sなので、傾きは340 m/sです。476÷1.4だけでも同じ値になりますが、それはこの直線が原点を通るからです。原点を通らない実測の傾向線では、二点の差を使う方が意味を保てます。
グラフが原点を通らず、時間0 sで距離50 mを示していたら、「音源から進んだ距離」のグラフとしては条件を確認します。観察地点までの基準距離が初めから50 mあるのか、計時開始が遅れたのか、軸の意味が別なのかもしれません。
誤答を直して次の学びへつなげる
傾きを時間の増加量÷距離の増加量にすると単位はs/mであり、音速ではありません。縦軸が距離、横軸が時間なので、縦の変化÷横の変化です。
急な直線は時間がたくさんかかる、という説明も逆です。同じ時間の位置で比べると、急な直線ほど上にあり、より長い距離まで到達しています。そのため速さが大きいと判断できます。
次のレッスンでは、直線上で時間から距離を読み、距離から到着時間を読み、二本の直線が同じ距離へ到着する時刻を比較します。
自分で確かめよう
確認1:距離・時間グラフの傾きの式と単位は何ですか?
距離の増加量÷時間の増加量で、単位はm/sです。音の速さを表します。確認2:(0.5秒, 150メートル)と(1.5秒, 450メートル)を通る直線の傾きは何m/sですか?
`(450-150)÷(1.5-0.5)=300÷1.0=300 m/s`です。確認3:同じ距離・時間グラフで、より急な直線は何を表しますか?
同じ時間でより長い距離を進むため、より大きな速さを表します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。