装置図・波形・表・グラフへ書き込みながら条件を整理しよう
このレッスンの役割
このセクションの第2レッスンです。前のレッスンでは、長い入試問題を現象・資料・求める量へ分けました。今回は、資料を眺めるだけでなく、軸・単位・変えた条件・対応する値を書き込み、設問へ使える情報に変えます。
今回完成させる力は、装置図、波形、表、グラフのそれぞれに何を印付けすれば読み違いを防げるかを説明し、設問ごとに使う資料を対応させることです。次のレッスンでは、分けた情報を一枚の因果モデルへつなぎます。
知る・理解する
資料への書き込みは、きれいに写す作業ではありません。比較の基準と単位を見える形にします。
資料別の書き込みです。
| 資料 | 書き込むこと |
|---|---|
| 装置図 | 変える条件を丸、そろえる条件を下線、測定位置を矢印 |
| 波形 | 横軸の時間幅、縦方向の振幅、数える一周期の始点と終点 |
| 表 | 単位、比較する二行、同時に変わった条件 |
| グラフ | 横・縦軸の量と単位、目盛り、傾きに使う二点 |
波形の一周期は、山から次の山、または同じ向きで中央線を通る点から次の同じ点までです。山と谷を一周期と数えると半周期になります。
具体例で使う
装置図で、弦の長さ50 cm、太さ同じ、おもり200 gと400 g、マイク位置20 cmとあります。おもりを丸で囲み、長さ・太さ・マイク位置に「固定」と書きます。これで張りだけを比べる意図が見えます。
波形Aは横幅10 msに2周期、波形Bは同じ10 msに3周期です。10 ms=0.010 sなので、Aは200 Hz、Bは300 Hzです。同じ時間幅で回数が多いBの方が高い音です。振幅の大小は高さの比較に使いません。
表で条件AとBを比べるとき、長さと張りの両方が違うなら、行の間に二つの違いを書きます。その比較だけではどちらが原因か決められないと分かります。
距離・時間グラフでは、横軸s、縦軸mを確認し、直線上の読みやすい二点を選びます。距離差÷時間差と余白へ書けば、傾きの向きを逆にしにくくなります。
誤答を直して次の学びへつなげる
波形の見た目が横に詰まっているから高い音、とだけ判断してはいけません。二つの図で横軸の時間幅が同じかを確認します。表示範囲が違えば、同じ音でも詰まり方が変わります。
グラフの直線が急だから速いという判断も、軸と目盛りが同じ場合に限ります。別々のグラフなら、傾きの数値と単位を計算して比べます。
次のレッスンでは、装置図・波形・表・グラフから取り出した情報を、音源の振動→媒質中の伝達→耳やマイクへの到着という因果の流れへ統合します。
自分で確かめよう
確認1:波形へ最初に書き込む二つの量は何ですか?
横軸の時間幅と単位、縦方向の振幅です。振動数を求めるなら一周期の始点と終点も印付けします。確認2:表の二行で長さと張りが同時に違うと分かったら、何を判断しますか?
その二行だけでは、振動数の差が長さと張りのどちらによるかを区別できないと判断します。確認3:距離・時間グラフの傾きに使う式を余白へどう書きますか?
縦軸が距離、横軸が時間なら「距離の増加量÷時間の増加量」と書き、単位m/sを確認します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。