LESSON 01

振動はどうやって耳へ届く?

空気の振動が隣へ伝わる粒子モデルをつくろう

空気の密・疎が隣へ伝わる仕組みと、一つの粒子が元の位置付近で往復することを粒子モデルで説明します。

空気の振動が隣へ伝わる粒子モデルをつくろう

このレッスンの役割

前の実験では、離れた二つの膜の間を空気がつなぐ証拠を得ました。このレッスンでは、目に見えない空気の働きを粒子モデルで説明します。空気の粒そのものが音源から耳まで飛んでいくのではなく、近くの粒を順番に振動させることで変化が伝わる、と理解することが中心です。

知る・理解する

空気は何もない空間ではなく、とても小さな粒子が集まった物質だと考えます。スピーカーの膜が前へ動くと、すぐ前の空気粒子が押され、粒子の間隔が小さい「密な部分」ができます。膜が後ろへ戻ると、粒子の間隔が大きい「疎な部分」ができます。

密な部分の粒子は隣の粒子を押し、その隣もさらに隣を押します。疎な部分でも、粒子の間隔の変化が隣へ渡されます。この密・疎の変化が空気中を進みます。一方、一つ一つの粒子は元の位置の近くで前後に往復するだけです。

人の列でたとえると、後ろの人が前の人を軽く押したとき、押された変化は列の前へ伝わります。しかし、最後尾の人が列の先頭まで走ったわけではありません。たとえは完全ではありませんが、「物質の粒子」と「伝わる変化」を分ける助けになります。

空気粒子の往復と密疎の伝わり スピーカーの膜が空気粒子を押し、密な部分と疎な部分が右へ伝わる。一つの粒子Aは元の位置の近くで往復する 振動する膜 A 密・疎の変化は右へ伝わる 粒子Aは元の位置の近くで往復する

具体例で使う

スピーカーから1 m離れたところに軽い膜を置きます。スピーカーの膜が前後に振動すると、近くの空気に密・疎ができます。その変化が隣の空気粒子へ次々に渡され、1 m先の膜に届くと、その膜も前後に振動します。

説明文では「スピーカーの膜が空気を振動させた。空気の密・疎の変化が隣へ次々に伝わった。受ける膜の近くの空気が膜を押し引きし、膜が振動した」と書けます。原因から結果まで、間を飛ばさないのがポイントです。

誤答を直して次の学びへつなげる

「スピーカーの前にあった空気粒子が、1 m先の膜まで飛んだ」は誤りです。もし空気全体が音源から耳へ流れ続けるなら、音を聞くたびに強い風を感じるはずですが、普通は感じません。

伝わるのは空気そのもののかたまりではなく、粒子の間隔と動きの変化です。一つの粒子の往復と、密・疎が進む向きを区別できれば、次に時刻の異なる粒子図を読めます。

自分で確かめよう

確認1:スピーカーの膜が前へ動いた直後、近くの空気はどうなりますか。空気粒子が押され、粒子の間隔が小さい密な部分ができます。
確認2:音源の近くにあった一つの空気粒子は、耳まで移動しますか。移動しません。元の位置の近くで前後に往復し、その動きが隣の粒子へ次々に渡されます。
確認3:ドミノ倒しと音の伝わりに共通する考えは何ですか。最初の変化が隣へ順番に伝わる点です。ただし空気粒子は倒れたままではなく、元の位置の近くで往復します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。