初見の音総合問題を解答根拠まで仕上げよう
このレッスンの役割
このセクションの第6レッスンであり、「音の性質」コースの仕上げです。これまでに、入試問題を分解し、資料へ書き込み、因果モデルを作り、複合計算と誤答修正を行いました。今回は、初見の装置図・波形・表・時間データを使い、選択・計算・記述を最後まで解きます。
今回完成させる力は、設問ごとに根拠を選び、単位付きの途中結果を残し、条件・事実・法則・結論を含む答案を書くことです。最後に、自分の弱点が波形・弦・音速・反射・実験のどこかを診断し、次の学習へ渡します。
知る・理解する
初見問題でも、解く流れは同じです。
総合問題の条件です。
- 同じ弦・長さ・太さで、おもりだけ200 gと450 gへ変えた。
- 20 msの波形で、条件Aは4周期、条件Bは6周期だった。
- 三回の振動数はAが198、201、200 Hz、Bが299、301、300 Hzだった。
- 音源から680 m離れた観測点へ直接音が2.0 sで届いた。
- 音源近くで、反射音が直接音の0.40 s後に届いた。
具体例で使う
設問1、どちらが高い音か。20 msという同じ時間内にBは6周期、Aは4周期なので、Bの振動数が大きく、Bが高い音です。計算するとAは4÷0.020=200 Hz、Bは6÷0.020=300 Hzです。
設問2、張りと振動数の関係を記述します。弦の長さ・太さ・材質をそろえ、おもりだけを増やした条件Bで、三回の振動数が約300 Hzとなり、条件Aの約200 Hzより大きかった。したがって今回の範囲では、弦の張りを強くすると振動数が大きくなった、と書けます。
設問3、音速です。680 m÷2.0 s=340 m/sです。Bが高い音でも、空気中の音速として同じ340 m/sを使います。
設問4、反射面までの距離です。往復距離は340×0.40=136 m、片道距離は136÷2=68 mです。
設問5、「おもりを増やせば、すべての弦で振動数が必ず1.5倍になる」という結論を評価します。今回の結果は200 gと450 g、この弦と装置の範囲です。ほかの弦やおもり、1.5倍という一般的比率までは確かめていないため、結論が広すぎます。
誤答を直して次の学びへつなげる
選択肢を言葉の一致だけで選ばないようにします。「Bは振幅が大きいので高い」は、波形という言葉が出ても量の対応が誤りです。同じ時間内の周期数を根拠にします。
記述答案を「Bの方が大きかったから」で終えないようにします。何をそろえ、何を変え、どの測定値がどう違い、どの範囲で何を結論するかを書きます。
このコースで迷いが残ったら、波形なら振幅・振動数、弦なら一条件比較、計算なら単位、反射なら経路、実験なら問い・条件・測定・データ・結論へ戻ります。音の学習で身につけた「見えない現象をモデルと測定で説明する力」は、次のエネルギー分野の学習でも使います。
自分で確かめよう
確認1:20 msに5周期の波形なら振動数は何Hzですか?
`20 ms=0.020 s`なので、`5÷0.020=250 Hz`です。確認2:音速340 m/s、反射時間0.30秒なら反射面まで何mですか?
往復距離は`340×0.30=102 m`、片道距離は`102÷2=51 m`です。確認3:実験の記述答案に含めたい四つの要素は何ですか?
そろえた・変えた条件、観察・測定した事実、使う法則や関係、証拠の範囲に限定した結論です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。