やまびこの時間から壁までの距離を求めよう
このレッスンの役割
このセクションの第4レッスンです。前のレッスンでは、反射音が音源から反射面へ進み、観察者へ戻る往復経路を学びました。今回は、音速と時間差から反射面までの片道距離を求め、反対に距離から時間差も求めます。
今回完成させる力は、mとsへ単位をそろえ、まず往復距離を求めてから2で割り、経路へ戻して答えを確かめることです。次のレッスンでは、計算結果がもっともらしくても経路や時間差がずれている誤答を診断します。
知る・理解する
音源と観察者がほぼ同じ場所にある基本配置では、反射面までの距離をd、音速をv、反射音までの時間差をtとすると、音の往復距離はv×tです。片道距離はその半分です。
反射面までの距離 d = 音速 v × 時間差 t ÷ 2
計算手順を固定します。
| 手順 | 操作 | 確認する意味 |
|---|---|---|
| 1 | 時間をs、距離をmへそろえる | 音速m/sと対応させる |
| 2 | 音速×時間差 | 音が進んだ往復全距離を求める |
| 3 | 往復距離÷2 | 反射面までの片道距離を求める |
| 4 | 片道×2÷音速 | 元の時間差へ戻るか確かめる |
「÷2」は最後につける決まりではありません。測った時間に行きと帰りが両方含まれるため、同じ長さの二つに分ける操作です。
具体例で使う
例1では、音速340 m/s、反射音までの時間差が0.60 sです。
- 往復距離は
340 × 0.60 = 204 mです。 - 片道距離は
204 ÷ 2 = 102 mです。 - 確認すると
102 × 2 ÷ 340 = 0.60 sです。
例2では、時間差が200 msです。200 ms = 0.200 s と直します。往復距離は 340 × 0.200 = 68 m、片道距離は 68 ÷ 2 = 34 m です。200をそのまま掛けると1000倍ずれます。
例3では、壁まで85 mです。反射音までの時間差を求めます。音が進む往復距離は 85 × 2 = 170 m です。時間は 170 ÷ 340 = 0.50 s です。85を340で割った0.25 sは片道だけの時間です。
例4では、同じ場所で時間差が0.30、0.40、0.50 sと変わりました。音速を同じとすると、壁までの距離はそれぞれ51、68、85 mです。時間差が大きいほど、往復経路が長いと分かります。詳しい表やグラフの読み取りは次のセクションで扱います。
誤答を直して次の学びへつなげる
0.60 sに340を掛けた204 mをそのまま壁までの距離とするのは、往復距離を片道と取り違えています。経路図の二本の矢印へ204 mを配り、102 mずつと考えます。
一方、問題が「音源から壁まで20 m、壁から別の観察者まで30 m」と明示しているなら、全経路は50 mであり、単純に同じ片道の2倍とは限りません。公式を使う前に配置を確かめます。
次のレッスンでは、経路を描かずに2で割り忘れる、時計の表示時刻と時間差を混同する、長く続く残響を一回の反射として扱う、といった誤りを修正します。
自分で確かめよう
確認1:音速340 m/s、時間差0.80秒のとき、壁まで何mですか?
往復距離は`340×0.80=272 m`、片道距離は`272÷2=136 m`です。確認2:時間差150 msを計算に使う前に何秒へ直しますか?
`150 ms = 0.150 s`です。msは1000分の1秒です。確認3:壁まで51 mなら、反射音までの時間差は何秒ですか?
往復距離は102 mなので、`102 m ÷ 340 m/s = 0.30 s`です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。