時刻の異なる粒子図から音の進む向きを読もう
このレッスンの役割
前のレッスンで、空気粒子はその場の近くで往復し、密・疎の変化が隣へ伝わると学びました。このレッスンでは、時刻の異なる二つの粒子図を比較し、音の進む向きと一つの粒子が動く向きを区別します。図を根拠に説明する力は、高校受験の実験・考察問題でも重要です。
知る・理解する
粒子図を読むときは、粒を一つずつ追いかける前に、粒子が集まった「密な部分」の位置を探します。時刻1で左側にあった密な部分が、少し後の時刻2で右側にあれば、密・疎の変化、つまり音は右へ伝わったと読めます。
同時に、目印を付けた粒子Aの位置も見ます。Aが時刻1では右寄り、時刻2では左寄りでも、Aが音と逆向きに遠くへ運ばれたわけではありません。Aは元の位置の周りを往復している途中です。粒子の瞬間的な動きと、変化全体の進行方向は別です。
粒子図は実物をそのまま拡大した写真ではなく、考えやすくするためのモデルです。粒子の数や間隔の描き方が簡略化されていても、「密な場所がどちらへ移ったか」「同じ粒子はどの範囲で動いたか」という関係を読みます。
具体例で使う
図の右端に鼓膜があるとします。密・疎の変化が右へ進み、鼓膜の手前へ来ると、鼓膜の外側にかかる空気の押し方が強くなったり弱くなったりします。そのため鼓膜も前後に振動します。
答案では「密な部分が時刻1の左側から時刻2の右側へ移っているので、音は右へ伝わる。粒子Aは元の位置付近を往復する。右端へ届いた密・疎の変化が鼓膜を押し引きして振動させる」と、図の事実と理由をつなげます。
誤答を直して次の学びへつなげる
粒子Aが一瞬左向きに動く図を見て、「音は左へ進む」と判断するのは誤りです。音の方向は一粒の瞬間的な向きではなく、密・疎の位置を時刻間で比較して決めます。
また、時刻1の密な部分にいた同じ粒子の集団が、まとまって右へ運ばれたのでもありません。隣り合う粒子が押し引きを受け、別の場所に新しい密な状態ができます。この区別を使って、次は音についてよくある誤解を言葉で直します。
自分で確かめよう
確認1:音の進む向きを粒子図から読むとき、何を比べますか。
異なる時刻における密な部分や疎な部分の位置を比べます。確認2:粒子Aが左へ動く瞬間、音も必ず左へ進みますか。
進みません。一つの粒子は往復し、音の向きは密・疎の変化が移る向きで判断します。確認3:密・疎の変化が鼓膜へ届くと、何が起きますか。
鼓膜の外側の空気が押す強さが変化し、鼓膜が前後に振動します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。