一つだけ変える公平な比較実験を組み立てよう
このレッスンの役割
このセクションの第2レッスンです。前のレッスンでは、弦の張りを変える条件、振動数という測る量、長さ・太さ・材質などのそろえる条件を区別しました。今回は、それを再現できる実験手順と記録表へ変えます。
今回完成させる力は、一つだけ条件を変える二つ以上の状態を作り、同じ測定方法で複数回記録し、安全と順序まで含めた計画を書けることです。次のレッスンでは、この公平な比較が原因と結果の説明をどう支えるかを考えます。
知る・理解する
弦の張りと振動数を調べる基本装置を考えます。同じ弦を同じ長さで固定し、滑車にかけた糸の先のおもりを変えて張りを変えます。弦を同じ位置から同じ程度にはじき、マイクと振動数測定器の位置を固定します。
実験前に、次の項目を文章で決めます。
| 項目 | この実験の計画 |
|---|---|
| 変える条件 | つるすおもりを200 gと400 gにする |
| そろえる条件 | 弦、長さ、太さ、材質、はじく位置、測定位置 |
| 測る量 | 振動数Hz |
| 回数 | 各条件を3回以上 |
| 安全 | おもりの落下範囲へ手足を置かず、装置の固定を確認する |
記録表は測定前に作ります。
| おもり | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 200 g | ||||
| 400 g |
結果を知ってから表の項目を変えると、都合のよい値だけを残しやすくなります。測定単位や回数を先に決めます。
具体例で使う
実験手順の例です。
- 弦の種類、振動部分の長さ、マイク位置を測って記録する。
- 200 gのおもりをつるし、装置が安定してから弦をはじく。
- 振動数を読み、はじき直して3回記録する。
- 400 gへ変える前に、弦の長さや固定位置がずれていないか確認する。
- 同じ方法で3回測る。
- 条件ごとの平均と値の範囲を比べる。
時間による装置のずれが心配なら、200 g→400 g→200 gのように最初の条件へ戻り、値が大きく変わっていないか確かめる方法もあります。ただし、計画した順番と変更理由を記録します。
弦をはじく強さを完全に同じにするのは難しい場合があります。しかし音の高さを振動数で測る目的なら、波形が読み取れる範囲で同じ方法を使い、極端に違うはじき方を避けます。自動的にはじく器具があれば、再現性を高められます。
誤答を直して次の学びへつなげる
400 gに変えたとき、同時に弦を短くすると、張りと長さの二つが変わります。装置を変更する前後で弦の振動部分の長さを測り、そろっていることを確認します。
一回目だけ予想と違ったから測り直して消す、という扱いはできません。最初の値も記録し、操作ミスが確認できた場合は理由を記して再測定します。
次のレッスンでは、なぜ一つだけ変えると振動数の差を張りの違いと結びやすくなるのかを、操作→弦の振動→測定値という因果の鎖で説明します。
自分で確かめよう
確認1:おもり以外にそろえる条件を三つ挙げてください。
弦の種類、振動部分の長さ、太さ、材質、はじく位置、マイク位置などから三つ挙げられます。確認2:同じ条件を複数回測るのはなぜですか?
操作や読み取りによるばらつきを確認し、一回だけの偶然の値で結論を決めないためです。確認3:予想と違う値が一回出たら、すぐ消してよいですか?
いいえ。値を記録し、装置や操作を確認します。明確な操作ミスがあれば理由を残して再測定します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。