LESSON 01

反射する音とやまびこ

壁から返る音の時間を測る実験を計画しよう

短い音と硬い反射面を使い、直接音から反射音までの時間差を複数回測ります。

壁から返る音の時間を測る実験を計画しよう

このレッスンの役割

このセクションの第2レッスンです。前のレッスンでは、直接音と反射音を経路の違いで区別しました。今回は、反射音が戻るまでの時間を測り、壁までの距離を考えられるデータを作ります。

今回完成させる力は、短い音、硬く広い反射面、音源と観察者の配置、測る時間差を決め、複数回の測定値を扱えることです。次のレッスンでは、得た時間が往復経路全体に対応することをモデルで説明します。

知る・理解する

反射音の実験では、音の始まりと終わりが分かりやすい短い音を一回だけ出します。長く声を出すと、出している途中の音と戻った音が重なり、時間差を決めにくくなります。手拍子、二枚の板、風船を割る音などの短い音が候補ですが、安全と周囲への配慮が必要です。

反射音の遅れを測る実験配置と波形左の音源兼観察者から右の壁へ音が進んで戻る経路と、録音波形に現れる直接音と反射音の二つの山音源・録音機硬い壁行き帰り直接音反射音測る時間差

測定計画は次のように整理します。

決めること 基本の計画 理由
反射面 硬く広い壁を選ぶ 反射音を捉えやすい
短い音を一回出す 直接音と反射音を分けやすい
配置 音源と録音機を近くに置く 行きと帰りをほぼ同じ距離として扱える
測る量 直接音から反射音までの時間差 往復にかかった時間になる
回数 同じ条件で複数回 偶然のずれや外れ値を確認できる

建物や道路の近くで実験するときは、立入禁止区域へ入らず、交通や周囲の人へ影響しない場所を選びます。大きな音を繰り返さず、必要なら教員の管理下で録音データを使います。

具体例で使う

壁から約68 m離れた位置に音源と録音機を置き、短い音を出しました。波形から直接音と反射音の時間差を5回読みました。

時間差
1 0.39 s
2 0.41 s
3 0.40 s
4 0.42 s
5 0.38 s

合計は2.00 sなので、平均は0.40 sです。値が少し散らばるのは、波形のどこを音の到着と読むか、周囲の反射音が重なっていないかなどの影響があるためです。

この0.40 sは、壁までの片道時間ではありません。音が音源から壁へ進み、壁から録音機へ戻るまでの時間です。今は計算を急がず、「時間差は二つの経路の合計に対応する」と記録します。

別の壁で反射音がはっきり分かれなかった場合、すぐに音が反射しないと結論しません。壁が近すぎて直接音と重なった、柔らかい材料が音を吸収した、周囲の雑音が大きかったなど、測定条件を確認します。

誤答を直して次の学びへつなげる

三秒間声を出し続け、声を止めてから音が消えるまでを測る方法では、一回の反射経路を特定しにくくなります。複数の反射が重なった残響時間を測っている可能性があります。短い音を使い、波形の二つの山の時間差を読みます。

壁まで68 mと分かっているから測定値を0.20 sへ直す、という扱いも不適切です。観察値は先に記録し、そのあとモデルや計算と比較します。予想と違う値を都合よく書き換えてはいけません。

次のレッスンでは、0.40 sの間に音が進んだ全距離を「壁まで68 mの行き」と「壁から68 mの帰り」に分け、なぜ往復距離が片道の2倍になるかを説明します。

自分で確かめよう

確認1:反射音の実験で短い音を使うのはなぜですか?直接音と反射音を時間的に分けやすくし、波形の二つの到着時刻を読みやすくするためです。
確認2:音源と録音機を近くに置く基本配置にはどんな利点がありますか?音源から壁までと、壁から録音機までの距離をほぼ同じとみなし、往復距離を片道距離の2倍として扱いやすくなります。
確認3:時間差が0.39、0.41、0.40秒でした。どのように扱いますか?測定条件を確認し、同じ条件で複数回測った値として平均や範囲を見ます。一つだけを絶対に正しい値と決めません。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。