縮尺・時間差・グラフから前線の速さと到達時刻を求めよう
まず知る:このレッスンの役割と計算の四段階
このレッスンは「雲・前線・天気変化の入試総合」6レッスンの4番目です。前のレッスンで前線の種類と通過順序を復元しました。ここでは、天気図の縮尺と時間差から移動を数量化し、別地点への到達時間帯を求めます。
| 段階 | 問い | 必ず書くもの |
|---|---|---|
| 距離 | 地図上の長さは実際に何kmか | 縮尺・換算 |
| 時間 | 二資料は何時間離れているか | 日付をまたぐ差 |
| 速さ | 距離を時間で割るといくつか | 式・km/h |
| 予測 | 残り距離を何時間で進むか | 仮定・時間帯 |
「速さ=距離÷時間」は知識です。入試では、どの点を同じ現象として追ったか、縮尺を使ったか、時刻差を正しく求めたかまでが技能になります。
理解する:例題で前線上の同じ特徴点を追跡する
6時と12時の天気図を比べるとき、前線の端や曲がりなど、対応する同じ特徴点を選びます。異なる部分を測ると、前線の形の変化を移動距離と誤認します。
6時間で180 km移動したなら平均速度は180÷6=30 km/hです。12時時点で地点Aまで240 kmなら、240÷30=8時間なので20時ごろが目安です。
ただし、前線の速度と方向がその後もほぼ同じという仮定を置いています。地図の読み取り誤差もあるため、「20時ちょうど」ではなく「20時ごろ」「夜のはじめごろ」と表すのが資料精度に合います。
使う:計算練習と単位・時刻の誤答修正
前日21時から当日9時までは12時間です。24−21+9=12と計算できます。地図上4.5 cm、縮尺1 cm=80 kmなら、実距離は4.5×80=360 km、平均速度は360÷12=30 km/hです。
計算後は観測グラフで検算します。予想した前線到達が15時ごろなのに、風向・気温の急変が9時にあるなら、次のどれかを点検します。
- 時刻差を間違えていないか。
- 同じ特徴点を測ったか。
- 縮尺の換算をしたか。
- 前線が加速・減速・変形した可能性はないか。
- 観測変化が別の現象ではないか。
式の答えを資料へ戻すことで、数字が現象に合うかを判断できます。
転用する:まとめと次へつなぐ予測範囲
二つの時間帯で速度が24 km/hと36 km/hなら、今後の速度を30 km/h一点に固定せず、24〜36 km/hの範囲で考えます。残り240 kmなら、240÷36で約6.7時間、240÷24で10時間です。到達は約7〜10時間後という幅をもつ予想になります。
入試の選択肢が18時・21時・翌日6時なら、この幅から最も合う時間帯を選べます。記述では「前線の進む向きと速さが大きく変わらないとすると」と仮定を添えます。次は、計算と資料が食い違うときの誤答修正を扱います。
確認1:二枚の天気図で距離を測るとき、何を追跡しますか。
前線の端や曲がりなど、両方の図で対応する同じ特徴点を追跡します。確認2:6時間で180 km進んだ前線の平均速度は何km/hですか。
180÷6=30より、30 km/hです。確認3:平均速度から求めた時刻を「必ず到着する時刻」といえないのはなぜですか。
前線は速度・方向・形を変えることがあり、縮尺や位置の読み取りにも幅があるためです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。