LESSON 01

雲・前線・天気変化の入試総合

入試問題の条件・時刻・地点・求める量を整理しよう

設問から地点・時刻・求める量・根拠資料・答え方を抜き出し、観測事実と推論を分けます。

入試問題の条件・時刻・地点・求める量を整理しよう

まず知る:このレッスンの役割と問題を読む順番

このレッスンは「雲・前線・天気変化の入試総合」6レッスンの1番目です。前のセクションまでに、天気図・前線・衛星画像・雨雲レーダーから天気を予想する力を身につけました。ここでは、その知識を入試問題の条件へ正しく結びつけます。

入試問題は資料が多くても、最初にする仕事は一つです。設問から「どこの」「いつの」「何を」「どの資料を根拠に」答えるかを抜き出します。資料を端から全部読むと、必要でない数字や図に注意を奪われます。

設問で印を付けるもの 答案への役割
地点 A地点、低気圧の中心 どこの変化かを限定する
時刻・期間 9時、9時から15時 資料の時刻とそろえる
求める天気要素 風向、気温、降水 読む資料を選ぶ
指示語 計算せよ、理由を述べよ 答え方を決める
根拠の範囲 図2と表1から 使ってよい証拠を限定する

設問に「最も適切なものを選べ」とあれば比較が仕事です。「理由を述べよ」なら、結論だけでなく資料の事実と仕組みが必要です。「求めよ」なら式・単位・丸め方まで確認します。

理解する:例題の条件を観測事実と推論へ分ける

例として、「図1、図2から、12時以後にA地点の風向が変化した理由を答えなさい」という設問を考えます。

観測事実は「A地点で12時以後に風向が変わった」「図1・図2に前線位置が示される」です。一方、「寒冷前線がA地点を通過したため」は、資料を前線の仕組みと結んだ推論です。事実と推論を分けると、思い込みを証拠のように書く失敗を防げます。

入試問題を条件、事実、推論、答案へ分ける図 設問から地点A、12時以後、風向という条件を取り出し、観測事実と前線通過という推論を区別して答案へつなぐ。 設問の条件A地点・12時以後風向・理由 観測事実風向が変化前線が接近 推論寒冷前線が地点を通過 答案寒冷前線がA地点を通過し、地点をおおう気団が変わったため。

ここで大切なのは、「前線があるから」だけで終わらないことです。どの前線が、どの地点を、いつ通過したと判断したかまで設問の条件に戻します。

使う:練習で解答設計図を作り誤答を防ぐ

次の設問を整理します。「6時と18時の天気図およびA地点の観測表から、前線の平均の速さをkm/hで求め、その後のA地点の天気を予想しなさい。」

  1. 地点はA、時間差は12時間と書く。
  2. 求める量を「前線の速さ」と「その後の天気」の二つに分ける。
  3. 速さには天気図の移動距離、天気予想には観測表と前線の種類を使う。
  4. 計算は「実際の移動距離÷12時間」、予想は「根拠→仕組み→変化」の順に書く。

たとえば縮尺から移動距離が360 kmなら、平均の速さは360÷12=30 km/hです。ただし、これは二つの時刻の間の平均です。「今後も同じ向き・速さで進むと仮定すれば」という条件を付けて、到達時間帯を予想します。

誤答は、資料を全部読み終えてから何を求めるか考える解き方です。先に設問を分解すれば、天気図では距離、表では通過時の変化というように、各資料へ役割を与えられます。

転用する:まとめと次へつなぐ初見設問

文章が長い問題では、余白に「地点/時刻/量/根拠/答え方」の5欄を作ります。未知の地名や見慣れない図が出ても、この5欄は変わりません。高校入試で問われるのは、知っている図を探す力より、設問が必要とする証拠を選ぶ力です。

別地点Bの資料が加わったら、AとBの時刻差から移動方向を確かめられます。予想と実測がずれたら、読み間違いと決めつけず、速度変化・前線の発達・地形の影響という仮定を点検します。次のレッスンでは、複数資料を同じ時刻軸へそろえます。

確認1:設問を読んだ直後に印を付ける五つは何ですか。地点、時刻・期間、求める量、根拠に使う資料、答え方の指示です。
確認2:「風向が変わった」と「寒冷前線が通過した」は同じ種類の情報ですか。違います。前者は観測事実、後者は複数の事実を前線の仕組みと結んだ推論です。
確認3:360 kmを12時間で移動した前線の速さを求めるとき、答案に必要なものは何ですか。360÷12=30という式、km/hという単位、さらに予想へ使うなら今後も同じ向き・速さとする仮定が必要です。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。