LESSON 01

分解者の働きを実験で確かめる

有機物の減少と二酸化炭素の増加を組み合わせて考察しよう

「分解者の働きを実験で確かめる」第3段階。有機物減少とCO₂増加の二証拠を組み合わせます。

有機物の減少と二酸化炭素の増加を組み合わせて考察しよう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、未加熱土と加熱土の対照実験を設計しました。ここでは、ヨウ素液によるデンプンの確認と、二酸化炭素センサーの結果を組み合わせ、微生物の分解と呼吸を考察します。

目標は、一つの結果だけで断定せず、「有機物が減った」と「二酸化炭素が増えた」の二つを、分解者のモデルで結べることです。

知る・理解する

同量のデンプン液を入れた容器A(未加熱土)とB(加熱土)を25℃で3日間置いた架空の結果です。

検査 容器A・未加熱土 容器B・加熱土
ヨウ素液 黄褐色に近い 青紫色
CO₂濃度 520→1,180 ppm 520→610 ppm

ヨウ素液が青紫色になるのはデンプンが残っている証拠です。Aが黄褐色に近いなら、Aではデンプンが少なくなったと考えられます。Aでは二酸化炭素も大きく増えています。

デンプン減少と二酸化炭素増加の二つの証拠 未加熱土の容器Aではヨウ素液が黄褐色で二酸化炭素が大きく増え、加熱土の容器Bでは青紫色で増加が小さい比較図 A 未加熱土黄褐色デンプン少CO₂+660 ppm分解・呼吸が進んだ B 加熱土青紫色デンプン残存CO₂+90 ppm変化は小さい 二つの測定結果を同じ仮説で説明する

Aでは生きた微生物がデンプンを分解して取り込み、呼吸に利用したため、デンプンが減り、二酸化炭素が増えたと考えられます。Bでも少し二酸化炭素が増えたため、微生物が完全に失われなかった、外から混入した、測定誤差などの可能性があります。

具体例で使う

Aの二酸化炭素増加量は1,180−520=660 ppm、Bは610−520=90 ppmです。Aの増加量はBより570 ppm大きいです。

考察例は「未加熱土Aではデンプンが少なくなり、CO₂増加量もBより大きかった。生きた土中微生物がデンプンを分解し、呼吸に利用したという仮説を支持する」です。「証明した」ではなく、実験の範囲で「支持する」と書きます。

誤答を直して次の学びへつなげる

ヨウ素液が黄褐色だから物質が消えた、とはいえません。デンプンが別の物質へ変わり、微生物へ取り込まれた可能性があります。また、二酸化炭素は分解という言葉だけで直接生じるのではなく、微生物が有機物を利用して呼吸することで増えます。

次は、温度別の有機物残存量と二酸化炭素増加量を読み、減少率と増加速度を計算します。

自分で確かめよう

確認1:Aのデンプンが少ないと判断する根拠は?ヨウ素液を加えても青紫色にならず、黄褐色に近かったことです。
確認2:AのCO₂増加量は?1,180−520=660 ppmです。
確認3:二つの証拠を合わせた考察を書こう。未加熱土Aではデンプンが減り、CO₂がより多く増えたため、生きた土中微生物がデンプンを分解し、呼吸に利用したという仮説を支持します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。