一つの炭素原子を環境と生物の間で追いかけよう
このレッスンの役割
前のセクションでは、エネルギーが太陽光から入り、各段階で熱として外へ出る一方向の流れを学びました。ここでは物質、とくに炭素へ注目します。同じ生物を通っても、炭素原子は形と場所を変えて再び利用されます。
目標は、一つの炭素原子が大気中の二酸化炭素から植物の有機物となり、動物や分解者を経て再び環境へ戻る道筋を説明できることです。
知る・理解する
炭素は、二酸化炭素だけでなく、糖、デンプン、脂肪、タンパク質など生物の有機物にも含まれています。炭素原子そのものが、植物や動物によって新しくつくられるわけではありません。
大気中の二酸化炭素に含まれる炭素は、植物の光合成によって有機物へ取り込まれます。植物が動物に食べられると、その炭素の一部が動物の体へ移ります。植物や動物が呼吸すると、有機物の炭素の一部が二酸化炭素となって環境へ戻ります。死がいや排出物の炭素は分解者へ移り、分解者の呼吸などでも二酸化炭素となります。
具体例で使う
二酸化炭素分子の炭素原子Cが、トマトの光合成で糖の一部になったとします。トマトを人が食べると、Cは人の体内へ移ります。その一部は呼吸で二酸化炭素となって吐く息へ出るかもしれません。別の一部は体をつくる物質となり、後に分解者へ移る可能性もあります。
重要なのは、「炭素がどの物質に含まれ、どこへ移ったか」を一段ずつ追うことです。
誤答を直して次の学びへつなげる
「炭素は二酸化炭素の中にだけある」は誤りです。生物の有機物にも炭素が含まれます。また、「植物が炭素をつくる」のではなく、環境中の二酸化炭素から炭素を取り込み、有機物へ組み替えます。
エネルギーを追う矢印と炭素を追う矢印を混同しないようにします。次のレッスンでは、炭素の存在場所と、光合成・摂食・呼吸・分解による移動を循環図へ書き込みます。
自分で確かめよう
確認1:炭素は二酸化炭素以外のどこにある?
糖、デンプン、脂肪、タンパク質など、生物の有機物にも含まれます。確認2:大気中の炭素が植物へ入る過程は?
光合成です。二酸化炭素の炭素が植物の有機物へ取り込まれます。確認3:植物から大気へ炭素が戻る経路を一つ書こう。
例:植物の有機物が呼吸で分解され、炭素が二酸化炭素となって大気へ戻る。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。