一つの生物の増減から直接影響と間接影響をたどろう
このレッスンの役割
前のセクションでは、分解者の働きを対照実験とデータで確かめました。ここからは、生態系の一部が変わると、その影響が食物網を通って別の生物や環境へどう届くかを考えます。
最初の目標は、変化の直後に起こる直接影響と、別の生物を間にはさんで起こる間接影響を区別し、一つの変化から二段階以上を予測できることです。
知る・理解する
草、バッタ、カエル、ヘビが「草→バッタ→カエル→ヘビ」の順に食べられる生態系を考えます。食物連鎖の矢印は、食べる側へ向かい、物質やエネルギーの移動を表します。
もしカエルが減ると、カエルに食べられていたバッタは増えやすくなります。これはカエルからバッタへの直接影響です。増えたバッタが草を多く食べるため、草が減りやすくなります。カエルから草への影響は、バッタを間にはさむ間接影響です。
ヘビはカエルを食べるので、カエルが減ると餌が少なくなり、ヘビも時間をおいて減る可能性があります。このように、同じ起点から複数方向へ影響が広がります。
具体例で使う
池で小魚が減ったとします。小魚が動物プランクトンを食べ、動物プランクトンが植物プランクトンを食べるなら、次のように予測します。
- 小魚が減る。
- 食べられる動物プランクトンが増えやすい。
- 動物プランクトンに多く食べられ、植物プランクトンは減りやすい。
「小魚が減ったから植物プランクトンも減る」だけでは途中の理由がありません。必ず間にある生物と、食べられる量がどう変わるかを書きます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「一つが減れば、つながる生物は全部減る」という考えは誤りです。捕食者が減ると、その餌は食べられにくくなって増えることがあります。変化の向きは、線でつながっているかだけでなく、どちらがどちらを食べるかで決まります。
また、予測は必ず起こる未来の断定ではありません。他の餌、病気、気温なども影響します。まず食物関係から起こりやすい変化を予測し、観察データで確かめます。次は、食物網へ増減の記号を書き込み、複数の経路を見失わずにたどります。
自分で確かめよう
確認1:カエルが減った直後、バッタはどうなりやすい?
カエルに食べられる量が減るため、バッタは増えやすくなります。確認2:カエル減少から草減少までを二段階で説明しよう。
カエルが減るとバッタが増え、増えたバッタが草を多く食べるため、草が減りやすくなります。確認3:食物関係だけからの予測を断定してはいけないのはなぜ?
他の餌、生物間の競争、病気、気温など、食物関係以外の条件も個体数へ影響するからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。