入試問題を問い・資料・使う知識に分解しよう
このレッスンの役割
前のセクションでは、未知の生態系データから仮説・根拠・限界を組み立てました。ここからはコース全体の知識を、高校入試の複合問題で選んで使います。
目標は、長い問題文に圧倒されず、設問が求める仕事、使う資料、必要な既習知識を対応させ、解答までの小さな手順へ分解することです。
知る・理解する
入試問題は、知識を全部書く競争ではありません。設問の最後の言葉に注目すると、求められる仕事を分類できます。
| 設問の言葉 | 求められる仕事 |
|---|---|
| 求めなさい | 式・単位・数値を示す |
| 読み取りなさい | 資料の値や傾向を事実として書く |
| 理由を説明しなさい | 根拠と仕組みをつないで結論を書く |
| 予測しなさい | 因果の向きをたどり、条件付きで変化を書く |
| 方法を提案しなさい | 変える条件・測る結果・対照・反復を書く |
設問を先に読むと、長い本文のどこを重点的に読むか決まります。資料名、指定語句、字数、「二つ書け」などの個数にも印を付けます。全資料を同じ深さで読むのではなく、問いに必要な証拠を選びます。
具体例で使う
「河川へ流れ込む窒素量が増えた後、魚が減った理由を、藻類と分解者という語を使って説明しなさい」という設問を考えます。
仕事は理由説明、使う知識は富栄養化と分解者の呼吸です。資料から、窒素増加→藻類増加→溶存酸素低下→魚減少の値を探します。答案では「窒素増加で藻類が増え、死骸を分解する分解者の呼吸によって酸素が多く消費され、魚が生存しにくくなった」とつなぎます。
誤答を直して次の学びへつなげる
本文を最初から暗記しようとすると、設問に不要な情報へ時間を使います。反対に設問だけ見て知識で答えると、資料の数値根拠を落とします。設問→資料→知識→解答の順を往復します。
すべての資料を使う必要もありません。ただし、指定された資料は必ず使います。次は、複数資料の関係を、食物網・物質循環・個体数・人間活動がつながる一枚の因果地図へ整理します。
自分で確かめよう
確認1 「求めなさい」と「理由を説明しなさい」では、解答の仕事はどう違いますか?
前者は式・単位・数値、後者は資料の根拠と生態学的な仕組みをつないだ文が中心です。確認2 長い問題文では、最初に何へ印を付けますか?
設問の動詞、資料名、指定語句、字数、答える個数へ印を付けます。確認3 資料が五つあれば、答案に五つすべて使いますか?
問いに必要な資料と指定された資料を使います。無関係な資料を足すより、根拠と仕組みを正確につなぎます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。