種数と個体数の偏りを表から比較しよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、性質や役割の違いが環境変化の影響を分散する仕組みを学びました。ここでは、二つの草地の生物調査表から、種数、総個体数、最多種の割合を計算し、個体数の偏りまで読みます。
目標は、「種数が多い」「総個体数が多い」の一つだけで多様性を決めず、何を同じ条件で比べたかを明示して考察できることです。
知る・理解する
同じ広さを同じ時間だけ調べた草地AとBで、昆虫の個体数を記録しました。
| 種 | 草地A | 草地B |
|---|---|---|
| アリ | 5 | 17 |
| バッタ | 5 | 1 |
| チョウ | 5 | 1 |
| テントウムシ | 5 | 1 |
| 合計 | 20 | 20 |
どちらも種数は4、総個体数は20です。しかしAは各種5個体で均等に近く、Bはアリ17個体に大きく偏っています。最多種割合は、Aが5÷20×100=25%、Bが17÷20×100=85%です。
中学校では複雑な指数を計算しなくても、種数と偏りを分けて読めれば十分です。ただし、個体数を数えにくい植物や群体では、被度や面積など別の測り方を使うことがあります。
具体例で使う
草地Cに6種、各2個体がいたとすると、総個体数は12でAより少ないですが、種数はAの4より多いです。「個体が少ないからCの多様性が低い」とは決められません。
考察では、「今回の昆虫調査では、AとBは種数と総個体数が同じだが、Bはアリが85%を占め、個体数の偏りが大きい」と書きます。調べていない植物や土壌生物まで含む地域全体の多様性へ広げすぎません。
誤答を直して次の学びへつなげる
総個体数が多い場所ほど多様とは限りません。一種だけが大量にいる場合もあるからです。種数だけが同じでも、ほとんど一種しかいない場所と、各種が同程度いる場所では状態が違います。
また、調査面積や時間が違えば種数も増えやすくなるため、公平な比較では条件をそろえます。次は、「種類が多ければ必ずよい」「珍しい種だけ守ればよい」という誤解を直します。
自分で確かめよう
確認1:草地Bのアリの割合は?
17÷20×100=85%です。確認2:草地AとBの違いを種数と偏りで説明しよう。
種数はどちらも4ですが、Aは各種5個体で均等に近く、Bはアリ17個体に大きく偏っています。確認3:総個体数だけで多様性を決められないのはなぜ?
総個体数が多くても、そのほとんどが一種で、他の種が少ない場合があるからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。