二酸化炭素増加から生物の分布・季節までの因果をつなごう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、長期・広域・複数資料から気候変化を確かめました。ここでは、その気候変化が生態系へ届く経路を、温室効果ガスから生物の分布と季節までつなぎます。
目標は、「暖かくなると生物が変わる」で終わらず、気温・水温・積雪・季節の変化が、すみか、繁殖、餌の時期へどう影響するか説明できることです。
知る・理解する
二酸化炭素などの増加で温室効果が強まると、長期的な平均気温や水温が上がります。積雪期間、土の水分、海の状態も変わります。生物はそれぞれ生活できる温度や水分の範囲をもつため、分布の境界が高緯度側や標高の高い側へ移る場合があります。
季節の合図も生物ごとに同じではありません。植物の開花は気温に強く反応して早まっても、渡り鳥の到着は日照時間や遠い越冬地の条件にも影響されます。変化の速さが違えば、花と受粉者、幼鳥と餌昆虫の時期がずれる可能性があります。
移動できる生物でも、都市や道路で生息地が分断されていると、適した場所へ移れないことがあります。山頂付近の生物は、さらに高い場所がなく、分布を移す余地が小さい場合があります。
具体例で使う
ある植物の開花が20年で12日早まり、その花を利用する昆虫の出現が4日しか早まらなかったとします。両者の時期のずれは8日広がります。花粉を運ぶ機会や昆虫の餌が減る可能性があります。
「気温上昇→開花の早まり」と「昆虫の反応は別の速さ」という二本の経路を比べることで、生物間のずれを説明できます。
誤答を直して次の学びへつなげる
温暖化の影響は、暑さで個体が直接死ぬことだけではありません。餌や繁殖相手の時期、積雪、水分、競争相手の分布を通して間接的にも届きます。
また、すべての種が一緒に北へ移れば関係が保たれるとは限りません。移動能力、地形、分断、季節の合図が異なるからです。次は、気温偏差と開花・昆虫・分布の長期データを計算して検証します。
自分で確かめよう
確認1:温暖化で分布が高緯度・高標高側へ移る場合があるのはなぜ?
生物には生活できる温度範囲があり、以前の地域が暖かくなると、より涼しい地域へ適地が移るからです。確認2:花と受粉昆虫の時期がずれる仕組みは?
開花と昆虫の出現が、気温など異なる合図へ違う速さで反応するためです。確認3:山頂付近の生物が特に影響を受けやすい理由は?
より涼しい高い場所へ分布を移したくても、山頂より上には生息地がないからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。