調査の目的に合わせて多様性の測り方を選ぼう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、生態系・種・遺伝子の多様性を区別しました。ここでは、どの多様性を知りたいのかに合わせて、地図、野外調査、同じ種の個体差調査を使い分けます。
目標は、一つの調査ですべて分かると思わず、目的に合う測定項目を選び、地域間や年ごとの比較で面積・季節・方法・調査時間をそろえられることです。
知る・理解する
生態系の多様性は、航空写真や地図と現地確認を使い、森林、草原、湿地などの種類と面積、つながりを調べます。種の多様性は、一定面積の区画や決まった道を調査し、見つかった種と個体数を記録します。遺伝子の多様性は、同じ種の多数個体について、形質や遺伝情報の違いを調べます。
種調査では、同じ林でも春の昼に10分調べた結果と、夏の夜に3時間調べた結果をそのまま比べられません。活動する生物と見つけやすさが違うからです。見つからなかったことと、存在しないことも区別します。
具体例で使う
学校近くの池Aと池Bの種の多様性を比べるなら、同じ広さの区画、同じ季節と時刻、同じ網と回数で調べます。植物、昆虫、魚など対象を決め、種名と個体数を記録します。
池周辺に湿地や林が残るかを知りたいなら生態系地図が必要です。同じ魚の高温への強さに違いがあるかを知りたいなら、同じ種の複数個体を調べます。種調査だけで答えることはできません。
誤答を直して次の学びへつなげる
「1時間で10種見つけた場所は、10分で8種の場所より多様」とは断定できません。調査努力が違います。また、形や色が違う二個体を見ただけで遺伝子の違いと決めつけません。成長段階や環境でも形質は変わるため、同条件で多数個体を比べる必要があります。
調査は目的、測定、比較条件が一組です。次は、三つの多様性が、病気や気候変化などに対する生態系の強さへどうつながるかを考えます。
自分で確かめよう
確認1:森林や湿地の面積とつながりを調べる方法は?
地図や航空写真で区分し、現地で境界や環境を確認します。確認2:二つの池の種調査でそろえる条件を三つ挙げよう。
区画面積、季節、時刻、道具、調査時間、網を使う回数などから三つです。確認3:二個体の色の違いだけで遺伝子の多様性を断定できないのはなぜ?
成長段階や環境条件でも色が変わる可能性があり、多数個体を同条件で調べる必要があるからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。