比較可能な調査を変数・対照・反復から設計しよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、データを事実・傾向・解釈候補・問いに分けました。ここでは、その問いに答えられる調査を作ります。
目標は、比べる条件、測る結果、そろえる条件を区別し、対照・反復・同じ測定方法を使って、公平に比較できる生態系調査を設計することです。
知る・理解する
「日当たりが植物の種類数に関係するか」を調べるなら、日当たりが比べる条件、植物の種類数が測る結果です。調査する面積、季節、数え方、調査時間などはそろえます。条件がいくつも違うと、どれが結果に関係したか分からなくなります。
実験で操作を加える場合、操作をしない対照を用意します。野外調査で完全に同じ条件を作れない場合も、できるだけ似た場所を選び、違いを記録します。1地点だけの結果は偶然かもしれないため、複数の独立した区画で繰り返します。
反復とは、同じ1区画で植物を10個体数えることではなく、独立した複数区画で同じ調査を行うことです。区画ごとの差を含めて比べられるからです。場所を選ぶ人の都合が結果に入りにくいよう、くじや等間隔などで調査地点を決める方法もあります。
具体例で使う
川の上流と下流で水生昆虫の種類数を比べるとします。下流だけ夏、上流だけ春に調べたら、場所と季節の影響を分けられません。同じ日または近い時期、同じ面積、同じ網、同じ採取時間で調べます。
上流3地点、下流3地点を選び、水温、流速、溶存酸素も測ります。結果が違っても、「上流・下流だから」とすぐ断定せず、流速や水質など一緒に違う条件を記録します。調査設計は、何を結論にでき、何はまだ言えないかを決めます。
誤答を直して次の学びへつなげる
標本数が多くても、同じ小さな区画だけから取った100個体なら、その場所の偏りを強く受けます。独立した場所や時期での反復が必要です。
また、すべての条件を完全にそろえられない野外調査は無意味ではありません。違いを測って記録し、複数地点や複数年で同じ傾向が出るか確かめます。次は、比較から得た「一緒に変わる関係」が、原因と結果を意味するのか吟味します。
自分で確かめよう
確認1 日当たりと植物種数を比べるとき、比べる条件と測る結果は何ですか?
比べる条件は日当たり、測る結果は同じ面積内の植物種数です。面積・季節・数え方などをそろえます。確認2 一つの池で魚を100匹測れば、100回の独立した反復ですか?
違います。同じ池という共通条件の影響を受けます。複数の独立した池や区画で同じ調査を行う必要があります。確認3 野外で条件を完全にそろえられないとき、どうしますか?
一緒に違う条件も測り、選び方と限界を記録し、複数地点・複数時期で反復して傾向を確かめます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。