LESSON 01

食物網は複雑なつながり

つながりが多ければ必ず安定するという誤解を直そう

「食物網は複雑なつながり」第5段階。複雑さ・雑食・一方向予測に関する誤解を直します。

つながりが多ければ必ず安定するという誤解を直そう

このレッスンの役割

食物網は複雑なため、短い決まりへまとめようとすると誤解が生まれます。このレッスンでは、「矢印が多いほど必ず安定する」「雑食動物はいつも同じ栄養段階」「一種が減れば相手は一方向に変化する」という三つの誤りを修正します。

目標は、食物網の構造から分かることと、追加の個体数・季節・食物量データが必要なことを分けて説明できることです。

知る・理解する

代わりの食物経路があると、一種類の食物が減った影響を弱める場合があります。しかし、矢印が多いだけで安定性は決まりません。つながりの強さ、食物の量、食べ分け、環境条件、増殖速度なども関係します。

特に、多くの生物が同じ生物Xへ集中して依存している食物網では、Xの減少が多方向へ広がる可能性があります。線の数だけでなく、どこへ集中しているかを見る必要があります。

多くの生物が一種Xへ集中して依存する食物網 食物Xから消費者A、B、C、Dへ多くの矢印が伸び、矢印が多くてもXの変化が広く伝わる可能性を示す図 食物X共通の依存先 消費者A消費者B消費者C消費者D 線が多いことと、変化に強いことは同じではない

雑食動物の位置も固定ではありません。クマが果実を食べる経路では生産者を直接食べる消費者ですが、昆虫や魚を食べる経路では別の位置になります。生物種に一つの段階名を永久に貼るのではなく、今見ている経路を確認します。

具体例で使う

食物網Aでは鳥Pが昆虫Q、昆虫R、果実Sを食べます。これだけなら代替経路があるといえます。しかし、Q、R、Sがすべて同じ植物Xに強く依存しているなら、Xの減少によって三つの食物が同時に減る可能性があります。

したがって、「食物が三種類あるからPは安定」とは断定できません。「図には三つの食物経路があるが、共通して依存するXや食物量の資料も必要」と直します。

誤答を直して次の学びへつなげる

「カエルが減ると、カエルに食べられる昆虫は必ず増える」という文も条件不足です。ほかの捕食者が増える、餌植物が減る、気温が変わるなど、別の要因で昆虫が減る場合があります。

食物網は可能な経路を示しますが、最終結果を一つに決めるものではありません。予測では、根拠にした矢印と「ほかの条件が同じなら」を示します。次は、未知の食物網で複数経路を予測し、確実な事実と条件付き予測を分けます。

自分で確かめよう

確認1:矢印が多いほど必ず安定するといえないのはなぜ?つながりの強さ、食物量、共通の依存先、環境条件なども結果を左右し、線の本数だけでは決まらないからです。
確認2:雑食動物の栄養段階はいつも同じ?同じとは限りません。植物を食べる経路と、動物を食べる経路では位置が変わります。
確認3:「カエルが減れば昆虫は必ず増える」を直そう。ほかの条件が同じなら、カエルによる捕食が減って昆虫が増える可能性がある。ただし、ほかの捕食者や食物量なども確認が必要です。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。