同じ方法で繰り返し数えて個体数の変化を調べよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、個体数が出生・死亡・移入・移出によって変わることを学びました。ここでは、その変化を確かめる調査方法を考えます。調査の方法や努力量が違うと、生物の変化ではなく、数え方の違いをグラフにしてしまいます。
目標は、範囲、時刻、調査時間、道具、天候などをそろえて継続調査し、採集数や目撃数を個体群全体の実数と区別できることです。
知る・理解する
個体数の変化を比べるには、毎回できるだけ同じ条件で調べます。
| そろえる条件 | そろえる理由 |
|---|---|
| 調査範囲・歩く道 | 広い場所ほど多く見つかるため |
| 時刻・季節間隔 | 活動する時間帯が生物で違うため |
| 調査時間・人数 | 長く多人数で探すほど見つかりやすいため |
| 網やわなの種類・数 | 道具によって捕まりやすさが違うため |
| 記録する天候 | 雨・風・気温で活動や発見率が変わるため |
野外ではすべての個体を数えられないことが多いため、一定時間の目撃数や一定数のわなで捕れた数を、個体数の多さを表す指数として使うことがあります。指数が増えれば個体数も増えた可能性がありますが、観察数を地域全体の実数と同じにしてはいけません。
具体例で使う
調査Aは10個のわなを一晩置いて昆虫を40匹、調査Bは20個のわなを二晩置いて60匹捕まえました。総数だけならBが多いですが、努力量が違います。
わな1個・一晩当たりで比べると、Aは40÷10÷1=4匹、Bは60÷20÷2=1.5匹です。同じ単位へそろえると、Aのほうが捕獲数の指数は高いと分かります。
誤答を直して次の学びへつなげる
「60匹捕れたBの場所のほうが必ず個体数が多い」は誤りです。わなの数と日数が違うため、そのまま比べられません。また、捕獲数が実際の全個体数を示すとも限りません。
比較前に、分母となる面積・時間・道具数をそろえます。次のレッスンでは、こうして得た時系列データから、被食者の変化を追って捕食者が遅れて変化する理由を学びます。
自分で確かめよう
確認1:継続調査で調査時間をそろえるのはなぜ?
長く探すほど多く見つかるため、時間が違うと生物の変化と調査努力の違いを区別できないからです。確認2:20個のわなを2晩置いて60匹。わな1個・一晩当たりは?
60÷20÷2=1.5匹です。確認3:目撃数10匹は、その地域に10匹しかいないという意味?
いいえ。一定条件で見つかった数であり、隠れていた個体や調査範囲外の個体を含む全個体数ではありません。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。