LESSON 01

生物と環境はつながっている

環境条件と生物数の資料を同じ区画で比べよう

「生物と環境はつながっている」第4段階。区画別の環境条件と生物数を資料から比較します。

環境条件と生物数の資料を同じ区画で比べよう

このレッスンの役割

ここまでに、生物と環境を同じ場所で観察し、影響の向きを矢印で考えました。このレッスンでは、表やグラフからその関係を読み取ります。高校入試では、複数の区画の照度、水分、温度、生物数を比べ、結果と考察を区別して説明する問題がよく出ます。

目標は、比較する二つの量を決め、対応するデータを読み、相関からいえることと原因としてはまだ断定できないことを分けることです。

知る・理解する

次は、同じ面積の四つの区画を同じ時刻に調べた架空の結果です。

区画 照度(lx) 土の水分(%) コケの広がり(%)
A 18,000 16 6
B 12,000 22 14
C 5,000 38 41
D 2,000 51 67

照度が低い区画ほど水分が多く、コケの広がりも大きい傾向があります。ここで直接いえるのは「この調査では三つの量に対応した変化が見られた」ことです。「暗さだけがコケを増やした」とはまだ断定できません。照度が下がると水分が残りやすくなるなど、複数の条件が同時に変わっているからです。

土の水分とコケの広がりの散布図 土の水分が多い区画ほどコケの広がりが大きい傾向を示す四点の散布図 土の水分(%)コケの広がり(%) ABCD 右上がりの傾向

具体例で使う

上の表から「水分とコケ」の関係を説明するなら、まず区画AとDのように差が大きい組を比べます。Aは水分16%、コケ6%で、Dは水分51%、コケ67%です。そのうえで中間のB、Cも同じ傾向か確かめます。

解答例は「土の水分が多い区画ほど、コケの広がりが大きい傾向がある」です。さらに考察するなら、「コケの生育には水分が関係すると考えられる。ただし照度も同時に異なるため、水分だけが原因とは断定できない」と書けます。

原因を確かめるには、照度をできるだけ同じにして水分だけを変える実験や、より多くの区画で繰り返す調査が必要です。

誤答を直して次の学びへつなげる

グラフが右上がりだからといって、一方が必ず他方の原因とは限りません。アイスの売上と熱中症の人数が同時に増えても、アイスが熱中症を起こしたのではなく、気温という共通の要因が考えられます。これと同じく、生態系の資料にも隠れた条件があります。

資料問題では、①数値から読める事実、②その事実から考えた仮説、③確かめる追加調査、の三段階に分けます。次は、この読み方を使って環境に関する代表的な誤解を直します。

自分で確かめよう

確認1:表から直接いえるコケの傾向を書こう。土の水分が多い区画ほど、コケの広がりが大きい傾向があります。
確認2:「暗いことがコケを増やした」と断定できないのはなぜ?照度と同時に土の水分なども変化しており、どの条件が原因かを分けて確かめていないからです。
確認3:原因を確かめる追加調査を一つ考えよう。例:照度をほぼ同じにした複数の場所で、水分量とコケの生育を比較する。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。