標識した炭素の行方から未知の循環経路を復元しよう
このレッスンの役割
このセクションの仕上げです。特別な目印を付けて追跡できる炭素C*を使った架空の資料から、炭素がどの過程で移ったかを復元します。目印の物理的な性質ではなく、炭素原子の行き先に集中します。
目標は、時系列の検出場所から、光合成・摂食・呼吸・分解を選び、資料にない炭素を「消えた」とせず、未測定の場所を考えられることです。
知る・理解する
透明な容器に植物A、植物を食べる小動物B、土と分解者Cを入れます。開始時に、空気中の二酸化炭素の炭素だけへ目印C*を付けたとします。
| 時刻 | C*が多く検出された場所 |
|---|---|
| 開始時 | 空気中の二酸化炭素 |
| 6時間後 | 植物Aの有機物 |
| 1日後 | 植物A、小動物Bの有機物 |
| 5日後 | A、B、死がい、分解者C、空気中の二酸化炭素 |
具体例で使う
開始時に空気だけにあったCが6時間後に植物Aから見つかったため、二酸化炭素のCが光合成で植物の有機物へ取り込まれたと考えられます。1日後に小動物Bから見つかったのは、BがAを食べたためです。
5日後に分解者Cと空気から見つかったのは、死がいや排出物が分解され、分解者へ取り込まれたことと、呼吸で二酸化炭素へ戻ったことを示します。
C*の総量が測定値で少なく見えても、炭素が消えたとは限りません。容器壁、土の別の有機物、測定していない気体や生物へ移った可能性、測定誤差を考えます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「Cが植物から動物へ移ったから、エネルギーも最後に空気から植物へ循環した」は誤りです。Cは炭素原子の移動を示しており、エネルギーの行き先を直接示すものではありません。
資料を読むときは、①目印が最初にどこにあるか、②次にどこで検出されたか、③その間をつなぐ生物学的過程は何か、の順で考えます。次のセクションでは、土壌中の微生物が実際に有機物を分解することを、条件をそろえた実験で確かめます。
自分で確かめよう
確認1:空気のC*が植物Aへ入った過程は?
光合成です。二酸化炭素の炭素が植物の有機物へ取り込まれました。確認2:植物AのC*が小動物Bへ移った過程は?
摂食です。BがAを食べ、有機物の炭素を取り込みました。確認3:測定されたC*が減っても、炭素が消えたといえないのはなぜ?
測定していない生物・土・気体へ移った可能性や、測定誤差があり、炭素原子そのものが消滅したとは限らないからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。