LESSON 01

炭素などの物質は循環する

標識した炭素の行方から未知の循環経路を復元しよう

「炭素などの物質は循環する」第6段階。標識炭素の時系列から未知の循環経路を復元します。

標識した炭素の行方から未知の循環経路を復元しよう

このレッスンの役割

このセクションの仕上げです。特別な目印を付けて追跡できる炭素C*を使った架空の資料から、炭素がどの過程で移ったかを復元します。目印の物理的な性質ではなく、炭素原子の行き先に集中します。

目標は、時系列の検出場所から、光合成・摂食・呼吸・分解を選び、資料にない炭素を「消えた」とせず、未測定の場所を考えられることです。

知る・理解する

透明な容器に植物A、植物を食べる小動物B、土と分解者Cを入れます。開始時に、空気中の二酸化炭素の炭素だけへ目印C*を付けたとします。

時刻 C*が多く検出された場所
開始時 空気中の二酸化炭素
6時間後 植物Aの有機物
1日後 植物A、小動物Bの有機物
5日後 A、B、死がい、分解者C、空気中の二酸化炭素
目印C*を付けた炭素の時系列移動 開始時の空気中二酸化炭素から、6時間後に植物、1日後に小動物、5日後に死がい、分解者、空気へC*が移る図 空気のCO₂C*植物A6時間後小動物B1日後死がい5日後分解者C5日後 光合成摂食死・排出分解呼吸 検出場所の順番から、炭素を移した過程を選ぶ

具体例で使う

開始時に空気だけにあったCが6時間後に植物Aから見つかったため、二酸化炭素のCが光合成で植物の有機物へ取り込まれたと考えられます。1日後に小動物Bから見つかったのは、BがAを食べたためです。

5日後に分解者Cと空気から見つかったのは、死がいや排出物が分解され、分解者へ取り込まれたことと、呼吸で二酸化炭素へ戻ったことを示します。

C*の総量が測定値で少なく見えても、炭素が消えたとは限りません。容器壁、土の別の有機物、測定していない気体や生物へ移った可能性、測定誤差を考えます。

誤答を直して次の学びへつなげる

「Cが植物から動物へ移ったから、エネルギーも最後に空気から植物へ循環した」は誤りです。Cは炭素原子の移動を示しており、エネルギーの行き先を直接示すものではありません。

資料を読むときは、①目印が最初にどこにあるか、②次にどこで検出されたか、③その間をつなぐ生物学的過程は何か、の順で考えます。次のセクションでは、土壌中の微生物が実際に有機物を分解することを、条件をそろえた実験で確かめます。

自分で確かめよう

確認1:空気のC*が植物Aへ入った過程は?光合成です。二酸化炭素の炭素が植物の有機物へ取り込まれました。
確認2:植物AのC*が小動物Bへ移った過程は?摂食です。BがAを食べ、有機物の炭素を取り込みました。
確認3:測定されたC*が減っても、炭素が消えたといえないのはなぜ?測定していない生物・土・気体へ移った可能性や、測定誤差があり、炭素原子そのものが消滅したとは限らないからです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。