LESSON 01

食物網は複雑なつながり

食物の選択肢の数から食物網の違いを比べよう

「食物網は複雑なつながり」第4段階。食物と捕食者の種類数を数え、代替経路を比べます。

食物の選択肢の数から食物網の違いを比べよう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、食物網の中で複数の経路をたどりました。ここでは、二つの食物網を「線が多そう」という印象ではなく、生物ごとの食物の種類数と捕食者の種類数を数えて比べます。

目標は、矢印の出入りを正しく数え、代わりの食物経路があるかを資料から説明できることです。ただし、つながりの数だけで生態系の安定性を断定しないことも大切です。

知る・理解する

矢印が餌Xから消費者Yへ向くとき、YにとってXは食物です。したがって、ある消費者へ入る矢印の本数を数えると、図に示された食物の種類数が分かります。ある生物から出る矢印の本数は、その生物を食べる捕食者の種類数です。

二つの島の食物網で、鳥Pへの矢印を調べた結果が次のようだったとします。

食物網 鳥Pが食べるもの 食物の種類数 鳥Pを食べるもの
島A 昆虫Qだけ 1 タカT
島B 昆虫Q、昆虫R、果実S 3 タカT

島Bの鳥Pには、図の上では三種類の食物があります。Qが減ったとき、RやSを利用できる可能性があります。島Aの図には代わりの食物経路が示されていません。

食物の選択肢が一つの島Aと三つの島B 島Aでは昆虫Qだけが鳥Pへつながり、島Bでは昆虫Q、昆虫R、果実Sの三つが鳥Pへつながる比較図 島A:食物1種類 昆虫Q鳥P 島B:食物3種類 昆虫Q昆虫R果実S鳥P 選択肢の有無は読めるが、実際に切り替えられるかは追加資料が必要

具体例で使う

島Bで昆虫Qが減った場合、「鳥Pは必ず減らない」とは言い切れません。RやSが十分にあり、Pが実際に食物を切り替えられるなら、影響が弱まる可能性があります。しかし、RやSも少ない、季節が違う、必要な栄養が異なる場合は影響を受けます。

資料から確実にいえることは、「島Bの図にはPへ入る食物経路が三本ある」です。そこから先は条件付きの予測です。

誤答を直して次の学びへつなげる

矢印の出る本数を食物数として数えると逆になります。食べられる側から食べる側へ矢印が向くため、消費者へ入る矢印を数えます。

また、つながりが多いほど必ず安定するわけではありません。多くの生物が同じ一種に依存していれば、その一種の変化が広く伝わることもあります。次は、「複雑なら必ず安定」という誤解を詳しく直します。

自分で確かめよう

確認1:鳥Pの食物の種類数は、どの矢印を数える?鳥Pへ入る矢印を数えます。矢印の元にある生物や有機物がPの食物です。
確認2:島BでQが減っても、Pが必ず維持されると断定できる?できません。RやSの量、季節、Pが実際に食物を切り替える能力などの追加情報が必要です。
確認3:食物網を比べるとき、線の総数以外に何を見る?各生物に食物の代替経路があるか、多くの生物が一つの生物に集中して依存していないか、矢印の向きなどを見ます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。