餌が増えれば捕食者もすぐ増えるという誤解を直そう
このレッスンの役割
ここまでに、被食者と捕食者の個体数が時間差をもって変化するモデルと、そのグラフの読み方を学びました。このレッスンでは、個体数変化を単純化しすぎる三つの誤りを直します。
目標は、即時反応と個体数変化を区別し、捕食以外の要因も候補に入れ、つり合いを固定値ではなく時間を含む状態として説明できることです。
知る・理解する
第一の誤解は「餌が増えた瞬間に捕食者の個体数も増える」です。捕食者一個体が多く食べることはすぐ起こり得ますが、個体数が増えるには出生や移入が必要です。繁殖、発生、成長には時間がかかります。
第二の誤解は「捕食だけが個体数を決める」です。食物量、病気、気温、降水量、すみか、競争、移入・移出も個体数を変えます。
第三の誤解は「つり合いなら毎年同じ数」です。季節や環境条件の変化を受けながら、一定範囲で増減する動的な状態を考えます。
具体例で使う
ネズミが増えた翌月もフクロウの個体数が変わらず、半年後に増えたとします。「翌月に増えなかったから関係がない」とはいえません。繁殖期や成長期間を経て遅れて増えた可能性があります。
逆に、フクロウが増えた時期にネズミが減っていても、寒波や食物不足が同時に起きていれば、ネズミの減少をフクロウだけの影響とは断定できません。
誤答を直して次の学びへつなげる
誤答「被食者が増えたので、同じ月に捕食者も増えたはず」は、時間差を無視しています。正しくは「被食者の増加で食物が増え、繁殖や成長を経て捕食者が遅れて増える可能性がある」です。
誤答を直すときは、①個体数を直接変える出生・死亡・移入・移出、②その四つへ影響する食物・捕食・病気・環境、③時間差、の三層に分けます。次は未知のグラフで、この考え方を統合します。
自分で確かめよう
確認1:餌が増えても捕食者数がすぐ増えないのはなぜ?
個体数が増えるには繁殖や移入が必要で、繁殖して生まれた個体が成長するまで時間がかかるからです。確認2:個体数を変える捕食以外の要因を三つ挙げよう。
病気、気温、降水量、競争、すみか、移入・移出などから三つ挙げられればよいです。確認3:つり合いを「毎年同じ数」と説明できないのはなぜ?
季節や環境条件に応じて個体数は増減し、長期的に一定範囲で関係が保たれる動的な状態だからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。