捕食者の変化が植物まで届く栄養段階の連鎖を説明しよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、食物網へ増減記号を書き、複数の経路を分けてたどりました。ここでは、上位の捕食者の変化が草食動物を介して植物まで届く「栄養段階の連鎖」を、時間の経過と戻りの働きまで含めて理解します。
目標は、「捕食者が減ると獲物が増える」で止まらず、植物、すみか、他の生物へ届く影響と、その後に起こり得る変化を説明できることです。
知る・理解する
森でオオカミがシカを食べ、シカが若木を食べる関係を考えます。オオカミが減ると、シカは食べられる機会が減って増えやすくなります。シカが増えると若木が多く食べられ、森林の更新が進みにくくなります。
若木や下草が減ると、そこをすみかにする昆虫や小鳥、土を雨から守る根にも影響が届く可能性があります。最初の変化が、食物関係を通して異なる栄養段階へ次々に届くのです。
ただし、シカはいつまでも増え続けるとは限りません。若木や下草が減れば餌不足になり、シカ同士の競争が強まり、個体数の増加が抑えられます。病気や別の捕食者も影響します。生態系の「つり合い」は固定された数ではなく、増減を繰り返しながら変化する状態です。
具体例で使う
海で大型魚が減り、小型魚が増え、小型魚が食べる動物プランクトンが減ったとします。動物プランクトンが植物プランクトンを食べるなら、植物プランクトンは増えやすくなります。
説明は「大型魚減少→小型魚増加→動物プランクトン減少→植物プランクトン増加」です。各矢印の間に、「捕食されにくい」「多く捕食される」「食べられにくい」という理由を補うと、暗記ではなく因果として理解できます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「捕食者は獲物を減らす悪い存在」とは限りません。捕食者は獲物の増えすぎを抑え、植物や他の生物が利用する環境を保つことがあります。逆に、捕食者が多すぎる場合や別の環境条件では、結果が異なることもあります。
また、生態系は変化後すぐ同じ数へ戻るとは限りません。植物の回復や生物の繁殖には時間がかかります。次は、年ごとの個体数データを読み、変化が届く順序と時間差を数値で確かめます。
自分で確かめよう
確認1:オオカミ減少から若木減少までを説明しよう。
オオカミが減るとシカが増えやすくなり、増えたシカが若木を多く食べるため、若木が減りやすくなります。確認2:シカが増え続けるとは限らない理由は?
若木や下草が減ると餌不足や競争が強まり、病気なども加わって増加が抑えられるからです。確認3:捕食者が生態系を支える場合があるのはなぜ?
草食動物などの増えすぎを抑え、植物や他の生物が利用するすみかを保つことがあるからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。