LESSON 01

生物と環境はつながっている

未知の生態系でつながりと変化を予測しよう

「生物と環境はつながっている」第6段階。未知の生態系で直接・間接の変化を予測します。

未知の生態系でつながりと変化を予測しよう

このレッスンの役割

このセクションの仕上げです。生態系の要因を分類するだけでなく、初めて見る池や森の資料から、変化がどのように伝わるかを予測します。高校入試では、未知の生物名が出ても、矢印の関係をたどれば解ける問題があります。

目標は、変化の出発点を決め、直接の影響、間接的な影響、生物から環境への作用を区別し、根拠付きで予測することです。

知る・理解する

未知の生態系を考えるときは、次の四段階を使います。

  1. 範囲と登場する要因を確認する。
  2. 最初に変化した要因を一つ決める。
  3. 直接つながる相手への影響を矢印でたどる。
  4. その先の間接的な影響と、逆向きの作用を考える。

予測には「必ず」ではなく、「ほかの条件が同じなら」「〜する可能性がある」を使います。生態系では複数の要因が同時に働くためです。

池の水位低下から影響を予測する因果の鎖 雨不足から水位低下、水温上昇と水草減少、水中酸素と水生昆虫の減少、鳥の餌の減少へつながる図 雨不足 水位低下 水温上昇 水草減少 水中の酸素が減る 水生昆虫が減る この先に「魚や鳥の餌が減る」という間接的な影響も考えられる

具体例で使う

ある池で雨不足が続き、水位が低下したという資料を考えます。水が浅くなると日光で温まりやすくなり、水温が上がる可能性があります。岸辺の水草が水面から出て枯れれば、光合成で供給される酸素や、水生昆虫のすみかが減る可能性もあります。

水生昆虫が減ると、それを食べる魚や鳥にも間接的な影響が及びます。一方で、魚が減れば水生昆虫への捕食が弱まるなど、逆向きの作用も考えられます。正解を一語で当てるのではなく、資料に示された関係を一段ずつたどることが大切です。

解答例は「雨不足で水位が下がり、水草の生育範囲が狭くなると、水生昆虫のすみかが減る。そのため、水生昆虫を食べる魚も減る可能性がある」です。

誤答を直して次の学びへつなげる

「雨不足だから魚が死ぬ」では、途中の仕組みが抜けています。また、「水草が減るとすべての生物が同じように減る」とは限りません。水草を食べる生物、すみかにする生物、競争していた生物では影響が異なります。

答えを書く前に、変化の鎖を二本以上考え、資料が支える鎖を選びます。次のセクションでは、生物を生産者・消費者・分解者という役割で整理し、食べる関係と物質の移動をさらに正確にたどります。

自分で確かめよう

確認1:池の水位低下が水生昆虫に届く経路を一つ書こう。例:水位低下→岸辺の水草が減る→水生昆虫のすみかが減る→水生昆虫が減る。
確認2:予測に「可能性がある」と付けるのはなぜ?実際の生態系では複数の要因が同時に働き、一つの変化だけで結果が必ず決まるとは限らないからです。
確認3:未知の生物名が出たら、何に注目する?その生物が何を食べ、何に食べられ、どんな環境条件を必要とするかという関係に注目します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。