面積当たり個体数・変化率・複数グラフを計算しよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、相関と因果を区別するための証拠を学びました。ここでは、調査面積や初めの値が異なるデータを公平に比べ、複数グラフの時間順序を読みます。
目標は、面積当たり個体数と変化率を計算し、軸・単位・期間をそろえて、環境要因と生物の変化の前後関係を根拠付きで説明することです。
知る・理解する
調査した面積が違うとき、見つけた個体の総数をそのまま比べられません。100 m²で60個体と25 m²で30個体なら、後者の総数は少なくても密度は高いからです。
面積当たり個体数 = 個体数 ÷ 調査面積
変化の大きさを初めの値に対して比べるときは、変化率を使います。
変化率(%)=(後の値-初めの値)÷ 初めの値 × 100
複数グラフでは、横軸の期間が同じか、縦軸の単位が何かを先に確認します。山の高さだけでなく、どの変化が先に起きたかを読みます。原因候補が結果より前に変化していれば因果と矛盾しませんが、それだけで証明ではありません。
具体例で使う
湿地Aでは50 m²に40株、湿地Bでは20 m²に24株の植物がありました。Aは40÷50=0.8株/m²、Bは24÷20=1.2株/m²なので、密度はBが高いと分かります。
ある池の魚が200匹から150匹へ減ったなら、変化率は(150-200)÷200×100=-25%です。別の池が80匹から60匹へ減った場合も-25%で、総減少数は違っても初めの値に対する減り方は同じです。
栄養塩、藻類、溶存酸素、魚数の月別グラフがあるなら、栄養塩増加→藻類増加→酸素低下→魚数低下という順序があるか確認します。食物網や分解・呼吸の知識と結べば、数値の並びを仕組みとして説明できます。
誤答を直して次の学びへつなげる
割合とパーセントポイントを混同しないようにします。ある種の割合が20%から30%になったとき、10パーセントポイント増ですが、初めの20%に対しては50%増です。問いがどちらを求めるか確認します。
平均値だけでは、ばらつきや異常値が見えません。また、密度が高くても調査地点の選び方が偏っていれば地域全体を表しません。次は、一点読み、切り取られた軸、平均だけ、相関即因果という代表的な誤読を、根拠へ戻って修正します。
自分で確かめよう
確認1 30 m²で45個体見つかったときの密度は?
45÷30=1.5個体/m²です。確認2 個体数が120から90へ変化したときの変化率は?
(90-120)÷120×100=-25%です。25%減少したと表せます。確認3 環境要因と生物数の二本のグラフでは、同時変化だけ見ればよいですか?
いいえ。軸・単位・期間をそろえ、変化の大きさ、時間差、全体傾向を読み、仕組みと第三の要因も検討します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。