LESSON 01

生物と環境はつながっている

環境は天気だけ・自然は固定という誤解を直そう

「生物と環境はつながっている」第5段階。環境・受け身・固定バランスという誤解を直します。

環境は天気だけ・自然は固定という誤解を直そう

このレッスンの役割

生態系を理解するとき、日常語の「環境」や「自然」の感覚が誤解を生むことがあります。このレッスンでは、環境は天気だけではない、生物は受け身だけではない、生態系のつり合いは動かない状態ではない、という三つを整理します。

目標は、誤った説明のどこが不足しているかを指摘し、生物的要因、非生物的要因、時間変化を含む説明へ直せることです。

知る・理解する

第一の誤解は「環境とは気温や雨のこと」です。気温や雨は環境の一部ですが、食物となる生物、競争相手、捕食者、分解者も生物に影響します。ウサギにとって、草の量やキツネの数も環境条件です。

第二の誤解は「生物は環境に合わせるだけ」です。樹木は日陰と落ち葉をつくり、ミミズは土をかき混ぜ、植物は光合成によって大気中の二酸化炭素と酸素の量に関わります。生物も環境を変えます。

第三の誤解は「自然のつり合いは、個体数がずっと同じこと」です。実際には季節や天候、食物量によって個体数は増減します。長い目で見たとき、増加と減少が関係し合い、ある範囲で変動している状態を動的なつり合いとして捉えます。

固定ではなく変動する生態系のつり合い 草食動物と捕食者の個体数が時間とともに増減しながら、ある範囲に収まる模式図 時間個体数 変動する範囲 草食動物捕食者

具体例で使う

草食動物が一時的に増えたとします。草が多く食べられるため、しばらくすると食物が不足しやすくなります。草食動物が増えれば、それを食べる捕食者も遅れて増える可能性があります。その結果、草食動物は減少し、草は回復しやすくなります。

これは単純化したモデルですが、「増えたまま」「減ったまま」ではなく、複数の要因が時間差をもって作用することが分かります。資料を見るときは、一本の線だけでなく、食物、捕食者、季節など複数の変化を対応させます。

誤答を直して次の学びへつなげる

「雨が少なかったので魚が減った」という説明も、雨だけで終えると不十分です。水位の低下、水温の上昇、水中の酸素量の変化、水草や小動物の変化など、途中の要因を考えます。

また、「人が触れなければ自然は何も変わらない」わけではありません。台風、火山活動、遷移、個体数の変動など、人間がいなくても変化は起こります。次のレッスンでは、未知の生態系で、このような直接・間接・時間差のある変化を予測します。

自分で確かめよう

確認1:カエルにとっての生物的要因を二つ挙げよう。餌となる昆虫、捕食者となる鳥、競争相手となる別のカエルなどです。
確認2:自然のつり合いは個体数が一定という意味?いいえ。個体数は増減しても、関係し合いながら長期的にある範囲で変動する状態を含みます。
確認3:生物が環境を変える例を一つ説明しよう。例:樹木が葉を広げて地面に届く光を減らし、温度や水分、地表の生物の生活条件を変える。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。