明暗で変わる二酸化炭素濃度から炭素の移動を読もう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、光合成・摂食・呼吸・分解が炭素をどう移すか説明しました。ここでは、植物と小動物を入れた密閉容器の二酸化炭素濃度から、光合成と呼吸の全体としての大小関係を考察します。
目標は、明るい条件と暗い条件の濃度変化を比べ、植物も呼吸していることを保ちながら、見かけの二酸化炭素の増減を説明できることです。
知る・理解する
同じ量の水草と小さな巻貝を入れた二つの容器を用意し、温度をそろえます。容器Aは光を当て、容器Bは黒い布でおおいます。二酸化炭素濃度の架空の結果は次のとおりです。
| 経過時間 | 容器A・明るい(ppm) | 容器B・暗い(ppm) |
|---|---|---|
| 0時間 | 600 | 600 |
| 1時間 | 520 | 670 |
| 2時間 | 450 | 750 |
| 3時間 | 390 | 840 |
明るいAでは、水草の光合成が二酸化炭素を取り込みます。同時に水草と巻貝は呼吸して二酸化炭素を出していますが、この結果では、容器全体として光合成による取り込みのほうが呼吸による放出より大きかったため、濃度が下がりました。
暗いBでは光合成が進まず、水草と巻貝の呼吸は続くため、二酸化炭素濃度が上がりました。
具体例で使う
3時間でAは600−390=210 ppm減り、Bは840−600=240 ppm増えました。
解答例は「明るいAでは、植物と巻貝の呼吸による二酸化炭素の放出より、水草の光合成による取り込みが大きかったため、濃度が低下した。暗いBでは光合成が行われず、呼吸による放出で濃度が上昇した」です。
誤答を直して次の学びへつなげる
「明るいと植物は呼吸しないから二酸化炭素が減る」は誤りです。植物は明るいときも呼吸します。二つの過程が同時に起こり、差し引きで光合成の取り込みが大きかったと考えます。
また、濃度低下を光合成だけの証拠とするには、温度、容器の大きさ、生物量などをそろえる必要があります。次は、分解で炭素が消える、エネルギーも一緒に戻る、という誤解を直します。
自分で確かめよう
確認1:明るいAでCO₂濃度が下がった理由は?
この結果では、呼吸による放出より、光合成による取り込みのほうが大きかったからです。確認2:暗いBでCO₂が増えたのはなぜ?
光合成が進まない一方、水草と巻貝の呼吸は続き、二酸化炭素が放出されたからです。確認3:植物は明るいとき呼吸を止める?
止めません。明るいときも呼吸し、同時に光合成も行います。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。