温度別の分解量と二酸化炭素量を表・グラフから読もう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、有機物の減少と二酸化炭素の増加を組み合わせると、微生物の働きをより確かに考察できると学びました。ここでは、温度だけを変えた実験データを読み、分解量・減少率・二酸化炭素の増加速度を計算します。
目標は、表の数字を眺めるだけでなく、「何を比べるか」を決めて計算し、結果が示す範囲に限って結論を述べられることです。
知る・理解する
同じ種類と量の土、落ち葉、水を容器に入れ、温度だけを変えて10日間置いた架空の結果です。はじめの落ち葉の乾燥質量は、すべて5.0 gです。
| 温度 | 10日後の落ち葉 | 落ち葉の減少量 | CO₂増加量 |
|---|---|---|---|
| 5℃ | 4.7 g | 0.3 g | 180 ppm |
| 20℃ | 3.8 g | 1.2 g | 720 ppm |
| 35℃ | 3.2 g | 1.8 g | 1,050 ppm |
| 60℃ | 4.9 g | 0.1 g | 90 ppm |
分解された量は「はじめの量−残った量」です。減少率は「減少量÷はじめの量×100」で求めます。二酸化炭素の1日あたりの増加量は「増加量÷日数」です。
この実験では、35℃で落ち葉の減少量と二酸化炭素増加量がともに最大です。しかし、「温度が高いほど分解が速い」という一直線の関係ではありません。60℃では、多くの微生物の活動に適さないため、変化が小さくなった可能性があります。
具体例で使う
20℃の減少率は、1.2÷5.0×100=24%です。35℃では、1.8÷5.0×100=36%です。35℃の二酸化炭素の1日あたりの増加量は、1,050÷10=105 ppm/日です。
したがって、この4条件の範囲では、35℃で分解者の活動が最も活発だったと考えられます。ただし、35℃がすべての分解者の最適温度だとは断定できません。25℃や30℃を調べておらず、土にいる微生物の種類も限られるからです。
誤答を直して次の学びへつなげる
「残った量」と「分解された量」を逆にしないようにします。4.7 gは5℃で残った量であり、分解された量は0.3 gです。また、60℃の数字を見ずに「温度が高いほど速い」と結論づけるのも誤りです。
二つの測定値が同じ傾向を示すことは説明を強くしますが、数字が完全に比例する必要はありません。有機物の一部は微生物の体に取り込まれ、二酸化炭素以外の物質にも変わるからです。次は、対照実験について起こりやすい誤解を直します。
自分で確かめよう
確認1:35℃で分解された落ち葉の割合は?
(5.0−3.2)÷5.0×100=36%です。確認2:20℃のCO₂の1日あたりの増加量は?
720÷10=72 ppm/日です。確認3:「温度が高いほど必ず分解が速い」といえない根拠は?
60℃では、35℃より落ち葉の減少量もCO₂増加量も小さいからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。