LESSON 01

分解者の働きを実験で確かめる

温度別の分解量と二酸化炭素量を表・グラフから読もう

「分解者の働きを実験で確かめる」第4段階。温度別の分解量とCO₂量を計算・考察します。

温度別の分解量と二酸化炭素量を表・グラフから読もう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、有機物の減少と二酸化炭素の増加を組み合わせると、微生物の働きをより確かに考察できると学びました。ここでは、温度だけを変えた実験データを読み、分解量・減少率・二酸化炭素の増加速度を計算します。

目標は、表の数字を眺めるだけでなく、「何を比べるか」を決めて計算し、結果が示す範囲に限って結論を述べられることです。

知る・理解する

同じ種類と量の土、落ち葉、水を容器に入れ、温度だけを変えて10日間置いた架空の結果です。はじめの落ち葉の乾燥質量は、すべて5.0 gです。

温度 10日後の落ち葉 落ち葉の減少量 CO₂増加量
5℃ 4.7 g 0.3 g 180 ppm
20℃ 3.8 g 1.2 g 720 ppm
35℃ 3.2 g 1.8 g 1,050 ppm
60℃ 4.9 g 0.1 g 90 ppm

分解された量は「はじめの量−残った量」です。減少率は「減少量÷はじめの量×100」で求めます。二酸化炭素の1日あたりの増加量は「増加量÷日数」です。

温度別の落ち葉減少量と二酸化炭素増加量 5度、20度、35度、60度の4条件で、落ち葉減少量と二酸化炭素増加量を棒の高さで比較し、35度が最大で60度は小さいことを示す図 5℃20℃35℃60℃ 落ち葉減少量CO₂増加量 高温ほど大きいとは限らない 二つの測定値が同じ傾向かも確かめる

この実験では、35℃で落ち葉の減少量と二酸化炭素増加量がともに最大です。しかし、「温度が高いほど分解が速い」という一直線の関係ではありません。60℃では、多くの微生物の活動に適さないため、変化が小さくなった可能性があります。

具体例で使う

20℃の減少率は、1.2÷5.0×100=24%です。35℃では、1.8÷5.0×100=36%です。35℃の二酸化炭素の1日あたりの増加量は、1,050÷10=105 ppm/日です。

したがって、この4条件の範囲では、35℃で分解者の活動が最も活発だったと考えられます。ただし、35℃がすべての分解者の最適温度だとは断定できません。25℃や30℃を調べておらず、土にいる微生物の種類も限られるからです。

誤答を直して次の学びへつなげる

「残った量」と「分解された量」を逆にしないようにします。4.7 gは5℃で残った量であり、分解された量は0.3 gです。また、60℃の数字を見ずに「温度が高いほど速い」と結論づけるのも誤りです。

二つの測定値が同じ傾向を示すことは説明を強くしますが、数字が完全に比例する必要はありません。有機物の一部は微生物の体に取り込まれ、二酸化炭素以外の物質にも変わるからです。次は、対照実験について起こりやすい誤解を直します。

自分で確かめよう

確認1:35℃で分解された落ち葉の割合は?(5.0−3.2)÷5.0×100=36%です。
確認2:20℃のCO₂の1日あたりの増加量は?720÷10=72 ppm/日です。
確認3:「温度が高いほど必ず分解が速い」といえない根拠は?60℃では、35℃より落ち葉の減少量もCO₂増加量も小さいからです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。