LESSON 01

生態系と自然環境の入試総合

移行率・変化率・密度を選んで複合資料を計算しよう

「生態系と自然環境の入試総合」第4段階。問いに合う式を選び複合資料を計算します。

移行率・変化率・密度を選んで複合資料を計算しよう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、根拠・仕組み・結論で記述答案を作りました。ここでは、根拠となる数値を複合資料から選び、自分で計算します。

目標は、問いに応じてエネルギー移行率、変化率、面積当たり個体数の式を選び、式・数値・単位を示したうえで、計算結果を生態系の説明へ使うことです。

知る・理解する

計算問題では、先に「何と何を比べる値か」を言葉にします。式だけを暗記すると、分母と分子を逆にしやすいからです。

求める量 読み取れること
エネルギー移行率 次の段階のエネルギー÷前の段階のエネルギー×100 次の栄養段階へ渡った割合
変化率 (後-前)÷前×100 初めの値に対する増減
密度 個体数÷面積 面積の違いをそろえた個体数
問いに応じて三つの計算を選ぶ図 エネルギーの受け渡しは移行率、前後の増減は変化率、面積の違いは密度を選ぶ分岐図 問いは何を比べているか 栄養段階の前後移行率時間の前後変化率面積の違い密度 式 → 代入 → 計算 → 単位 → 生態学的な意味

計算結果は、最後に言葉へ戻します。移行率20%なら「前の段階のエネルギーの20%が次の段階で利用できる形になった」、変化率-30%なら「初めの値に対して30%減った」と書きます。

具体例で使う

草がもつエネルギーが8,000 kJ、草食動物が利用できるエネルギーが1,200 kJなら、移行率は1,200÷8,000×100=15%です。残りが消滅したのではなく、呼吸による生命活動に使われて熱として散逸したり、食べ残しや排出物に残ったりします。

ある湿地で外来植物が150株から210株へ増えたなら、変化率は(210-150)÷150×100=40%増です。面積30 m²に210株なら密度は7株/m²です。別地点が100株でも面積10 m²なら10株/m²なので、総数と密度では比較結果が変わります。

誤答を直して次の学びへつなげる

資料に数字が多くても、すべて計算する必要はありません。設問が「次の栄養段階へ渡った割合」を問うなら移行率を選びます。単位を書かないと、個体数なのか密度なのか判別できません。

計算が合っていても、生態学的な意味が逆なら得点につながりません。分母は基準となる「前の段階・初めの値・面積」です。次は、計算以外も含め、矢印・因果・条件・主語のどこで入試答案がずれたかを診断します。

自分で確かめよう

確認1 生産者5,000 kJ、一次消費者500 kJの移行率は?500÷5,000×100=10%です。
確認2 個体数80が60になったときの変化率は?(60-80)÷80×100=-25%、つまり25%減です。
確認3 40 m²に100個体、20 m²に70個体ならどちらの密度が高いですか?前者は2.5個体/m²、後者は3.5個体/m²なので、総数は少なくても後者の密度が高いです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。