移行率・変化率・密度を選んで複合資料を計算しよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、根拠・仕組み・結論で記述答案を作りました。ここでは、根拠となる数値を複合資料から選び、自分で計算します。
目標は、問いに応じてエネルギー移行率、変化率、面積当たり個体数の式を選び、式・数値・単位を示したうえで、計算結果を生態系の説明へ使うことです。
知る・理解する
計算問題では、先に「何と何を比べる値か」を言葉にします。式だけを暗記すると、分母と分子を逆にしやすいからです。
| 求める量 | 式 | 読み取れること |
|---|---|---|
| エネルギー移行率 | 次の段階のエネルギー÷前の段階のエネルギー×100 | 次の栄養段階へ渡った割合 |
| 変化率 | (後-前)÷前×100 | 初めの値に対する増減 |
| 密度 | 個体数÷面積 | 面積の違いをそろえた個体数 |
計算結果は、最後に言葉へ戻します。移行率20%なら「前の段階のエネルギーの20%が次の段階で利用できる形になった」、変化率-30%なら「初めの値に対して30%減った」と書きます。
具体例で使う
草がもつエネルギーが8,000 kJ、草食動物が利用できるエネルギーが1,200 kJなら、移行率は1,200÷8,000×100=15%です。残りが消滅したのではなく、呼吸による生命活動に使われて熱として散逸したり、食べ残しや排出物に残ったりします。
ある湿地で外来植物が150株から210株へ増えたなら、変化率は(210-150)÷150×100=40%増です。面積30 m²に210株なら密度は7株/m²です。別地点が100株でも面積10 m²なら10株/m²なので、総数と密度では比較結果が変わります。
誤答を直して次の学びへつなげる
資料に数字が多くても、すべて計算する必要はありません。設問が「次の栄養段階へ渡った割合」を問うなら移行率を選びます。単位を書かないと、個体数なのか密度なのか判別できません。
計算が合っていても、生態学的な意味が逆なら得点につながりません。分母は基準となる「前の段階・初めの値・面積」です。次は、計算以外も含め、矢印・因果・条件・主語のどこで入試答案がずれたかを診断します。
自分で確かめよう
確認1 生産者5,000 kJ、一次消費者500 kJの移行率は?
500÷5,000×100=10%です。確認2 個体数80が60になったときの変化率は?
(60-80)÷80×100=-25%、つまり25%減です。確認3 40 m²に100個体、20 m²に70個体ならどちらの密度が高いですか?
前者は2.5個体/m²、後者は3.5個体/m²なので、総数は少なくても後者の密度が高いです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。