粒径と分布図から噴出と運ばれ方を読もう
このレッスンの役割
ここは6レッスン中の4番目です。前のレッスンでは、噴出物の粒径・形・穴が、破砕・気泡・冷却によって生じることを学びました。今回は、採取地点ごとの粒径と量を地図上で比べ、噴出物がどのように落下し、風で運ばれたかを読みます。
今回完成させる力は、火口からの距離、粒径、堆積量、風向を組み合わせて説明することです。次のレッスンでは、一つの手がかりだけで分類・噴火を断定する誤答を直します。
まず知る
噴火で上空へ上がった固体粒子は、重力で落下します。同じ条件なら、大きく重い粒子ほど早く落ちやすく、小さな粒子ほど空気中に長くとどまり、風で遠くへ運ばれやすい傾向があります。
ただし、実際の分布には複数の条件が関係します。
- 粒の大きさ、形、密度
- 噴煙が上がった高さ
- 風向と風速
- 噴火の継続時間
- 地形や雨
- 観測地点と調査範囲
「遠い場所の粒は必ず小さい」は傾向としては有力ですが、強風、再移動、別の噴火などがあれば例外もあります。
風向は「風が吹いてくる方向」で表します。西風は西から東へ吹く風です。西風のとき、火山灰は火口の東側へ運ばれやすくなります。
理解する
次の模式図は、西風のもとでの火山灰分布です。円の大きさは代表的な粒径、点の濃さは堆積量を表します。
図から次を分けて読みます。
- 事実:堆積域は火口の東側へ長くのびる
- 事実:火口近くの代表粒径が大きい
- 事実:遠方ほど粒が細かい
- 解釈:西から東へ吹く風で細かな粒子が運ばれた可能性
- 解釈:大きな粒は早く落下し、火口近くに多くなった可能性
事実と解釈を同じ文に混ぜず、まず資料を読み、その後に仕組みを説明します。
等厚線は、同じ厚さの火山灰が積もった地点を結ぶ線です。線が閉じていても、地形の高さを表す等高線ではありません。図の凡例を確認します。
使う
ある噴火後、火口から東へ向かう直線上で標本を採取しました。
| 地点 | 火口からの距離 | 平均粒径 | 堆積の厚さ |
|---|---|---|---|
| A | 2 km | 12 mm | 18 cm |
| B | 8 km | 1.4 mm | 6 cm |
| C | 20 km | 0.3 mm | 1.5 cm |
| D | 西へ8 km | 0.5 mm | 0.2 cm |
Aの平均粒径12 mmは火山れきの範囲です。B、C、Dは平均値が2 mm未満なので火山灰の範囲です。
東側では、距離が増えるほど平均粒径と堆積の厚さが小さくなっています。西側のDは、同じ8 kmのBよりはるかに薄いことから、噴火時には西から東へ吹く風が優勢だった可能性があります。
よい答案:
「火口の東側では2 km、8 km、20 kmと遠くなるほど、平均粒径が12 mm、1.4 mm、0.3 mmと小さくなり、堆積も薄くなっている。また東8 kmのBは西8 kmのDより厚い。このため、大きな粒は火口近くに落ち、細かな粒は西風で東へ運ばれたと考えられる。」
平均粒径が12 mmだから、地点Aのすべての粒が火山れきとは限りません。平均値だけでなく、粒径の範囲や割合があると分類をより正確にできます。
転用する
別の噴火では、火口の北東側へ細長い分布がありました。地上では南西風、上空では西風だったという資料があります。
火山灰が高い上空まで上がったなら、地上風だけでなく上空の風の影響を強く受ける可能性があります。分布方向から風を考えるときは、どの高さの風向かを確認します。
また、遠方の地点で大きな粒が一つ見つかっても、「大きな粒も風で遠くまで運ばれた」とすぐ結論づけません。人や川による移動、別の噴火、測定間違いの可能性を調べます。分布の傾向は、複数地点・複数粒で判断します。
分布図から噴火の規模を考えるには、調査範囲、厚さ、噴出量、噴煙の高さなど追加資料が必要です。「遠くまで灰がある」だけで最大級の噴火と断定しません。
資料説明の型
「[方位]側では、火口から[距離の変化]につれて[粒径・厚さの変化]が見られる。これは[落下・風による運搬]によると考えられる。ただし[追加で確認する条件]も必要である。」
確認1:同じ条件なら大きな粒が火口近くに多いのはなぜ?
大きく重い粒ほど空気中に長くとどまりにくく、重力で早く落下しやすいためです。確認2:「西風で灰が西へ飛ぶ」が誤りなのはなぜ?
風向は風が吹いてくる方向で表すため、西風は西から東へ吹き、灰は東側へ運ばれやすいからです。確認3:遠方に大粒が一つあれば分布の傾向を否定できる?
できません。再移動、別噴火、測定誤差も考え、複数地点と多数の粒の分布を確認します。まとめ
噴出物の分布は、粒径、火口からの距離、堆積の厚さ、風向をそろえて読みます。大きな粒は近くに落ちやすく、細かな粒は風で遠くへ運ばれやすい傾向があります。資料の事実と仕組みを分け、例外には追加証拠を求めます。次は、色や一枚の写真だけで分類する誤答を修正します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。