安全に標本を観察し粒の大きさを測ろう
このレッスンの役割
ここは6レッスン中の2番目です。前のレッスンで、火山噴出物を気体・液体・固体に分け、固体粒子を2 mmと64 mmの境界で分類しました。今回は、教師が準備した標本を安全に観察し、分類に必要な事実を自分で記録します。
今回完成させる力は、名称を予想する前に、粒径・形・穴・表面を同じ方法で観察することです。次のレッスンでは、その特徴がどのようなでき方で生じたかを説明します。
まず知る
火山灰は非常に細かく、目や呼吸器に入るおそれがあります。噴火中や降灰中に採集へ行かず、学校や施設が安全を確認し、密閉して用意した標本を使います。
観察の前に安全を確認します。
- 標本は教師の指示があるものだけを使う
- 粉を吹く、においを直接かぐ、口に入れる操作をしない
- 必要に応じて保護眼鏡、マスク、手袋を使う
- トレーの上で扱い、こぼしたら自分で掃かず教師へ知らせる
- 観察後は容器を閉じ、手を洗う
- 灰が降っている現地では、観察より公的な避難・防災情報を優先する
使う道具は、透明な密閉容器、方眼紙または目盛り、ルーペ、必要なら目の大きさが分かっているふるいです。未知の粉末を素手で触る必要はありません。
理解する
観察は「予想→確認」ではなく、「事実の記録→分類→でき方の考察」の順です。
粒径は、見えている長さのうち最も長い部分を測る方法にそろえます。複数の粒がある場合は、一粒だけでなく、たとえば20粒を同じ方法で測ります。
| 記録項目 | よい記録 | 弱い記録 |
|---|---|---|
| 粒径 | 0.4〜1.6 mm | 小さい |
| 形 | 角ばった粒が15/20粒 | ごつごつ |
| 穴 | 20粒中12粒に穴 | 穴っぽい |
| 表面 | 光を当てると一部に光沢 | きれい |
| 色 | 灰色と白色が混じる | 火山灰色 |
「火山灰に見える」は観察事実ではなく分類の予想です。まず数値や数を記録します。
ルーペは標本に近づけ、顔とルーペの位置を調整して焦点を合わせます。密閉容器を開ける必要はありません。透明な容器越しでも、粒径や形を比べられます。
ふるいを使う場合は、目の大きさを記録します。2 mmのふるいを通った粒は「2 mmより小さい可能性」を示しますが、網目の向きや細長い粒の通り方による誤差があります。境界付近は方眼や拡大写真でも確認します。
使う
標本Aを密閉容器越しに20粒観察しました。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 最長径 | 0.3〜1.4 mm |
| 形 | 18粒が角ばる |
| 穴 | 5粒に小さな穴 |
| 表面 | 一部にガラスのような光沢 |
| 色 | 灰色、黒色、透明に近い粒が混じる |
すべて2 mm未満なので、粒径による分類は火山灰です。「灰色だから」ではなく、測定値が境界より小さいことが根拠です。
標本Bでは、最長径が3〜18 mmでした。これは2 mm以上64 mm未満なので火山れきです。穴が多いことはでき方を考える手がかりですが、火山れきかどうかを決める第一の基準は粒径です。
次の記録には問題があります。
「標本Cは黒くて軽そうなので火山灰だと思う。」
測定値がなく、「軽そう」は実際に測っていません。修正するなら、容器越しに方眼と比べて粒径を測り、形・穴・表面を記録します。重さを比べるなら、同じ体積や同じ個数など条件も決めます。
転用する
拡大写真しかない資料では、尺度が写っているかを最初に確かめます。定規やスケールバーがなければ、粒径の数値を決められません。写真で大きく見えることと、実物が大きいことは別です。
写真Dには、スケールバー10 mmと、長さがその半分ほどの粒が写っています。粒の最長径は約5 mmと見積もれるので、火山れきの範囲です。
写真Eには尺度がありません。この場合は「角ばって穴がある」と形の事実は言えますが、火山灰か火山れきかは判定できません。「2 mmの尺度が必要」と追加情報を示します。
観察結果にばらつきがある場合は、平均だけでなく範囲と個数を残します。0.5 mmの粒が多くても、12 mmの粒が混じれば、火山灰と火山れきが混在しています。
確認1:名称を予想する前に記録する四つの中心項目は?
粒径、形、穴、表面です。色は補助情報として記録し、分類は測定後に行います。確認2:降灰中に外で新しい灰を集めてはいけないのはなぜ?
細かな粒子を吸い込んだり目に入れたりする危険があり、噴火時は観察より避難や安全確保を優先するためです。確認3:尺度のない拡大写真から火山灰と断定できる?
できません。形や穴は記録できますが、2 mmの境界と比べる実寸尺度がないため、粒径分類には追加情報が必要です。まとめ
安全な標本観察では、準備された密閉標本をトレー上で扱い、粉を舞わせません。名称の前に、粒径を数値と単位で測り、形・穴・表面を同じ基準で記録します。次は、この観察事実を、マグマの破砕・気泡・飛行中の冷却というでき方と結びます。
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