LESSON 01

地震波の速さを計算しよう

P波の速さを距離÷時間で求めよう

震源距離とP波が伝わった時間を選び、単位・概算・平均の意味を確認して速さを求める。

P波の速さを距離÷時間で求めよう

このレッスンの役割

ここは「火山・地震・岩石」コースの「地震波の速さを計算しよう」セクション(11 / 15)、全6レッスン中の3番目です。

前から受け取る力:地震発生時刻とP波到着時刻の差から、P波が伝わった時間を求める力
今回完成させる力:震源距離をP波の伝わった時間で割り、平均の速さをkm/sで求める力
次へ渡す力:同じ方法でS波の速さを求め、P波と数量で比較する力

今日は公式を使うだけでなく、資料から必要な二つの値を選び、単位と概算で答えを検算します。

まず必要な値を選ぼう

次の資料があります。

  • 震源距離:84 km
  • 地震発生:10時00分00秒
  • P波到着:10時00分14秒
  • S波到着:10時00分24秒
  • 初期微動継続時間:10秒

P波の速さに使うのは、

  • 距離:84 km
  • P波が伝わった時間:14秒

です。

初期微動継続時間10秒は、P波とS波の到着差なので使いません。

知る:三段階で式を作る

  1. 発生からP波到着までの時間を求める。
  2. 震源距離÷P波の伝わった時間を計算する。
  3. 単位をkm/sで書く。

式は、

P波の平均の速さ = 震源距離 ÷ P波が伝わった時間

です。

例の値を入れると、

84 km ÷ 14秒 = 6 km/s

となります。

震源距離84キロメートルをP波の伝わった時間14秒で割り、速さ6キロメートル毎秒を求める図 発生0秒からP波到着14秒までに84キロメートル進むため、84割る14で一秒あたり6キロメートルと計算する。 距離と時間を同じP波についてそろえる 震源 観測地点 震源距離 84 km P波の伝わった時間 14秒 84 km ÷ 14秒 = 6 km/s 平均して一秒あたり6 km進む

理解する:なぜ割り算で一秒あたりになる?

84 kmを14秒間で同じ割合ずつ進んだとみなすと、84 kmを14個の一秒に分けます。

84 ÷ 14 = 6

なので、一秒分は6 kmです。

単位も、

km ÷ 秒 = km/s

となります。

実際の地球内部では、場所によって地震波の速さが変わることがあります。ここで求めるのは、震源から観測地点まで全体を一つの値で表した平均の速さです。

使う:四点セットで計算する

例題1:時刻から時間を作る

震源距離96 km
地震発生10時15分00秒
P波到着10時15分16秒

伝わった時間:16−0=16秒

P波の速さ:96÷16=6 km/s

答え:P波の平均の速さは6 km/s

例題2:分をまたぐ

震源距離72 km
地震発生9時59分56秒
P波到着10時00分08秒

発生から次の分まで4秒、そこから到着まで8秒なので、

P波の伝わった時間:4+8=12秒

速さ:72÷12=6 km/s

例題3:小数を含む

震源距離105 km
P波の伝わった時間17.5秒

105÷17.5=6

答え:6 km/s

小数があっても、距離÷時間という意味は変わりません。

概算で答えを守る

震源距離約100 km、時間約20秒なら、速さは約5 km/sです。

正確な計算が6 km/sなら、概算と近く妥当です。

もし0.006 km/sや600 km/sとなったら、

  • kmとmを混ぜていないか
  • 秒と分を混ぜていないか
  • 時間÷距離にしていないか
  • 到着時刻をそのまま使っていないか

を見直します。

転用する:グラフの一点から求める

横軸がP波の伝わった時間、縦軸が震源距離のグラフで、点が15秒、90 kmにあります。

この一点は、「P波が90 kmを15秒で伝わった」ことを表します。

90÷15=6 km/s

軸が逆でも、同じ点から距離90 kmと時間15秒を読み、距離÷時間で計算します。

直線の傾きとして扱う方法もありますが、このレッスンではまず一点の対応から一秒あたりの距離を求められれば十分です。

割り切れない値の扱い

震源距離100 km、P波の伝わった時間16秒なら、

100÷16=6.25 km/s

です。

問題が「小数第1位まで」と指示したら、6.25の小数第2位を四捨五入して6.3 km/sです。

指示がなければ、資料の精度に合わせて6.25 km/sまたは約6.3 km/sとします。必要以上の桁を書きません。

誤答を原因から直そう

誤答1:84×14=1176 km/s

速さは一秒あたりの距離なので、全体の距離を秒数で分けます。掛け算ではなく84÷14です。

誤答2:84÷10=8.4 km/s

10秒は初期微動継続時間です。P波が震源から届くまでの14秒を使います。

誤答3:10時00分14秒を14分として使う

時刻の表記を取り違えています。地震発生から到着までの経過時間は14秒です。

誤答4:答えを6秒とする

求めたのは速さなので、単位はkm/sです。

誤答5:6 km/sはいつでもどこでも正確なP波の速さ

この資料の距離と時間から求めた平均の速さです。地球内部のどの場所でも全く同じと断定しません。

自分で途中を完成させよう

震源距離78 km、地震発生10時32分05秒、P波到着10時32分18秒です。

伝わった時間18−5=13秒です。
速さ78÷13=6 km/sです。
意味P波は震源から観測地点まで、平均して一秒あたり6 km進んだという意味です。

このレッスンの理解チェック

確認1:P波の速さに使う二つの値は?震源距離と、地震発生からP波到着までの時間です。
確認2:84 kmを14秒で伝わる速さは?84÷14=6 km/sです。
確認3:初期微動継続時間を使わないのはなぜ?それはP波とS波の到着差で、P波が震源から届くまでの時間ではないからです。
確認4:km/sを単位から説明すると?距離kmを時間sで割った、一秒あたりのkmです。
確認5:100 kmを16秒、小数第1位までなら?100÷16=6.25なので、四捨五入して6.3 km/sです。

次のレッスンへ

今回は、資料から震源距離とP波の伝わった時間を選び、距離÷時間でP波の平均の速さを求めました。

次は、同じ震源距離をS波が伝わった時間で割り、P波とS波の速さを同じ単位で比較します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。