LESSON 01

火山噴出物を見分けよう

マグマはどう砕けて多様な噴出物になる?

気泡の膨張、破砕、飛行中の変形、冷却から、噴出物の粒径・形・穴・表面が生じる仕組みを説明します。

マグマはどう砕けて多様な噴出物になる?

このレッスンの役割

ここは6レッスン中の3番目です。前のレッスンでは、粒径・形・穴・表面を観察事実として記録しました。今回は、その特徴がなぜ生まれたのかを、マグマ中の気泡、破砕、飛行、冷却の順で考えます。

今回完成させる力は、噴出物の特徴を、でき方の因果で説明することです。次のレッスンでは、粒径と分布図から、噴出物がどのように運ばれたかを読みます。

まず知る

マグマが上昇すると周囲の圧力が下がり、マグマに含まれていた成分が気体となって気泡を作ります。気泡は膨らみ、マグマを押し広げます。

その後のようすによって、できるものが変わります。

  • マグマが連続した液体として地表を流れる:溶岩
  • 気泡が急に膨らみ、マグマや周囲の岩石が細かく砕ける:火山灰や火山れき
  • 大きなかたまりが軟らかい状態で飛び、空中で形を変えながら冷える:火山弾
  • 固い岩石が砕かれ、大きな角ばったかたまりとして飛ぶ:火山岩塊

火山灰は、木や紙が燃えた残りではありません。マグマや岩石が爆発的に砕けてできた細かな固体粒子です。

軽石やスコリアのように穴が多い噴出物があります。穴は、マグマにあった気泡の跡です。穴が多いからといって、中が空っぽだったわけではありません。

理解する

次の図は、マグマから異なる噴出物ができる道筋を示します。

上昇するマグマから溶岩と火山砕屑物ができるしくみ圧力低下で気泡ができ、穏やかに流れ出れば溶岩、急な膨張で砕ければ火山灰や火山れき、大きな軟らかい塊が飛べば火山弾になる流れ上昇するマグマ圧力低下で気泡が膨らむ連続して流れ出る溶岩急に膨張して砕ける灰・れき・岩塊・火山弾

でき方と特徴を結びます。

粒の大きさ

激しく砕けると、さまざまな大きさの破片ができます。小さな粒は火山灰、大きくなると火山れきや火山岩塊になります。ただし、噴火が激しければすべて同じ大きさになるわけではありません。

気泡を含んだマグマが急に冷えて固まると、気泡の場所が穴として残ります。穴が多い試料は、気体を多く含んだマグマが固まった可能性を示します。

軟らかい大きな塊が空中を飛ぶと、回転や空気抵抗で丸みや流線形をもつことがあります。これが火山弾の手がかりです。固い岩石が砕けて飛んだ火山岩塊は、角ばることが多くなります。

表面

高温の粒が空中で急に冷えると、ガラスのような表面をもつことがあります。色や光沢だけでは名称を決めず、粒径・形・内部と合わせます。

使う

三つの標本記録から、でき方を説明します。

標本 観察事実
A 0.2〜1.1 mm、角ばった粒、ガラスのような面
B 90 mm、外形に丸み、表面にねじれた筋
C 25 mm、内部に多数の穴、持つと同じ大きさの石より軽い

Aは火山灰の粒径です。角ばりとガラスのような面から、マグマや岩石が急に細かく砕け、冷えた可能性があります。

Bは64 mm以上で、飛行中に形が変わったような丸みと筋があります。軟らかい状態で放出され、空中で変形して固まった火山弾の可能性があります。

Cは火山れきの粒径です。多数の穴は、気泡を含んだマグマが固まり、気泡の跡が残ったことを示します。穴が多いため、同じ体積の穴の少ない岩石より密度が小さいと考えられます。

「穴があるから火山灰」のように、穴と粒径を混ぜないことが重要です。穴はでき方、粒径は分類を考える中心です。

転用する

未知試料Dは、直径70 mmで角ばり、内部に別の岩石の模様が続いていました。大きさは64 mm以上ですが、丸みや飛行中の変形が見られません。

この資料なら、「固い岩石が砕かれて飛んだ火山岩塊の可能性が高い」と考えます。70 mmだから自動的に火山弾、とはしません。

未知試料Eは、直径40 mmで穴が多く、白っぽい色です。火山れきの粒径で、気泡を多く含むマグマが固まった可能性があります。しかし色だけでマグマの種類を決めるには、成分など追加資料が必要です。

同じ特徴でも、別のでき方が考えられることがあります。そのときは「この証拠ならAの可能性がある。ただしBを区別するには、この観察が必要」と書きます。

因果説明の型

「マグマが[上昇・流出・破砕]したとき、[気泡や冷却の変化]が起きた。そのため、試料に[粒径・形・穴・表面]という特徴が残ったと考えられる。」

確認1:火山灰はなぜ燃えた灰ではない?噴火でマグマや岩石が細かく砕け、急に冷えてできた2 mm未満の固体粒子だからです。
確認2:穴の多い噴出物の穴は何の跡?マグマ中にできた気泡の跡です。気泡を含んだまま冷えて固まると、穴として残ります。
確認3:70 mmの角ばった試料を火山弾と断定できる?できません。64 mm以上ですが、固い岩石が砕けた火山岩塊の可能性があります。丸み、表面、内部、採取記録を確かめます。

まとめ

火山噴出物の特徴は、上昇で気泡が膨らむこと、マグマや岩石が砕けること、飛行中に変形すること、急に冷えることから生まれます。分類名だけでなく、特徴とでき方を因果で説明できれば合格です。次は、粒の大きさ、火口からの距離、風向を使って分布図を読みます。

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