LESSON 01

火山・地震・岩石の入試総合

設問から必要な資料を選び分けよう

設問の対象・動詞・条件を読み、写真・表・グラフ・地図・断面・モデルを必須・補助・不要へ分ける。

設問から必要な資料を選び分けよう

このレッスンの役割

ここは「火山・地震・岩石の入試総合」セクションの1 / 6です。前のセクションでは、複数の防災資料から必要な情報を選び、行動の主案と代替案を作りました。今回は、その「必要な資料を選ぶ力」を、火山・岩石・地震・プレートが混ざる高校入試問題へ広げます。

今回完成させる力は、設問の動詞と求める量・性質に印をつけ、写真・表・グラフ・地図・断面図・模式図のうち、直接使う資料を選ぶことです。まだ各計算や分類を最後まで解くことが中心ではありません。

おすすめの学び方は、資料1から順に全部読むことではありません。最初に設問を読み、「何を答えるか」「数値か、分類か、理由か」を決め、必要な資料へ往復してください。

今日の問い

入試問題には六つの資料が載っていても、一つの問いに六つ全部を使うとは限りません。時間をかけて全部読んだのに、何を答えればよいか分からなくなるのはなぜでしょうか。

知る

設問の動詞は、答えの形を知らせます。

設問の動詞 求められる仕事 主に探す資料
求めなさい 数値を計算する 数値表、軸と単位のあるグラフ
読み取りなさい 資料にある値・傾向を答える 表、グラフ、地図、凡例
見分けなさい 特徴から分類する 写真、観察記録、比較表
説明しなさい 原因・途中・結果をつなぐ 観測資料と模式図
推定しなさい 複数の証拠から最も合うものを選ぶ 比較できる二つ以上の資料
理由を書きなさい 判断を支える根拠を示す 答えに直接対応する資料箇所

次に、対象語を丸で囲みます。

  • 岩石名 → 組織、鉱物、色合い、冷え方の資料
  • マグマの性質 → 火山の形、噴火、溶岩、鉱物の資料
  • 震源距離 → P波・S波到着時刻、初期微動継続時間、距離グラフ
  • 地震波の速さ → 距離と伝わった時間
  • 沈み込み方向 → 海溝、矢印、震源深度の断面
  • 防災判断 → 災害種別、現在地、想定区域、経路、最新情報

理解する

資料の役割を図で対応させます。

入試設問と必要資料の対応 中央の設問から、岩石分類には写真と観察表、震源距離には地震波グラフ、プレート説明には地図と断面図を選び、不要な資料を区別する図 設問 何を・どう答える? 数値/分類/理由 資料A 岩石写真 結晶の大きさ・組織 資料B 地震波グラフ P・S到着時刻 資料C 地図・断面 海溝・震源深度 岩石を見分ける → A+観察表 震源距離を求める → B+距離の関係 沈み込みを説明 → C+分布資料

大切なのは、同じ資料が別の問いでは必要になることです。岩石写真は震源距離の計算には不要でも、火成岩の分類には必要です。「資料が役に立つか」は資料そのものではなく、設問との関係で決まります。

観測資料とモデル資料

写真・測定表・地震計記録は、実際に観察・測定した証拠です。模式断面図は、見えない仕組みを整理したモデルです。

「資料から読み取る」問いでは観測を優先し、「なぜ起こるか説明する」問いでは観測とモデルを接続します。モデルだけを観測事実として答えないようにします。

使う

六つの資料がある問題を考えます。

  • 資料1:岩石Xの写真
  • 資料2:岩石Xに含まれる鉱物の割合
  • 資料3:地点Aの地震計記録
  • 資料4:初期微動継続時間と震源距離のグラフ
  • 資料5:日本周辺のプレート地図
  • 資料6:火山防災地図

問1「岩石Xを見分け、根拠を書きなさい」

必要:資料1・2
補助:冷え方と組織の既習知識
直接不要:資料3〜6

写真から組織、鉱物割合から色のもとになる鉱物を読みます。色だけで決めないため、二つの証拠を使います。

問2「地点Aの震源距離を求めなさい」

必要:資料3・4
資料3からP波・S波の到着差を求め、資料4のグラフへ対応させます。岩石写真や防災地図は不要です。

問3「日本で地震と火山が多い理由を説明しなさい」

必要:資料5、必要なら震源・火山分布資料
補助:沈み込み、ひずみ、マグマ生成の既習モデル
資料5に分布がなければ、地図だけで「多い」と証明したことにはなりません。問題文や別資料の観測も確認します。

転用する

設問が「資料を二つ選びなさい」と指定していなくても、根拠が弱ければ複数資料を使います。

一方、すべての資料を答えへ詰め込むと、関係のない知識が混ざります。次のように「必須・補助・不要」をメモします。

分類 意味
必須 これがないと答えを作れない
補助 理由や確認を強くする
今回は不要 別の設問には使えるが、この答えには使わない

初見問題で迷ったら、設問を「対象」「動詞」「条件」に分けます。

例:「資料3を用いて、地点BがAより震源から遠いと判断した理由を説明しなさい。」

  • 対象:地点BとA
  • 動詞:理由を説明
  • 条件:資料3を用いる
  • 探すもの:P波とS波の到着差など、距離と関係する観測

よくある間違い

誤り 原因 修正
資料1から順に全部読む 設問を後回し 動詞と対象を先に読む
全資料を答えに入れる 量が多いほど強いと思う 必須・補助・不要に分ける
単元名だけで資料を選ぶ 問いの仕事を見ていない 数値・分類・理由を区別
模式図を観測として書く 資料の役割を混同 観測とモデルを分ける
一つの手がかりで断定 根拠が足りない 独立した二つ目の証拠で確認

自分で確かめよう

確認1:設問で最初に見る三つは? 対象、動詞、条件です。数値・分類・理由のどの形で答えるかを決めます。
確認2:資料が六つあるなら六つ全部を使う? 使いません。設問との関係で必須・補助・今回は不要に分けます。
確認3:「岩石Xの冷え方を推定する」には何を選ぶ? 岩石写真や組織の観察、結晶の大きさに関する資料を必須とし、冷却速度と組織の既習モデルを補助にします。地震波グラフは不要です。

まとめと次の一歩

総合問題では、設問の対象・動詞・条件を先に読み、資料を必須・補助・今回は不要へ分けます。写真・表・グラフ・地図・断面・モデルの役割を区別できれば、情報量が多くても迷いにくくなります。次はこの選択法を使い、火山噴出物・鉱物・組織からマグマの性質と火成岩を根拠つきで結びます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。