同じ倍率の岩石写真を測って観察しよう
このレッスンの役割
ここは6レッスン中の2番目です。前のレッスンで、斑状組織は斑晶と石基、等粒状組織は同程度の結晶の組合せで見分けました。今回は、岩石写真の尺度を使い、結晶サイズと割合を数値で記録します。
今回完成させる力は、同じ倍率・同じ測り方・複数視野で組織を観察することです。次のレッスンでは、この測定結果から冷却の二段階を説明します。
まず知る
写真上の大きさと実物の大きさは同じではありません。倍率かスケールバーを確認します。
スケールバー5 mmが写真上で50 mmなら、写真は実物の10倍です。写真上で30 mmの結晶は、実物では3 mmです。
実物の長さ = 写真上の長さ ÷ 倍率
観察では次をそろえます。
| そろえるもの | 理由 |
|---|---|
| 倍率またはスケール | 実寸で比較するため |
| 測る向き | 最長径など基準を統一するため |
| 視野の面積 | 割合を比べるため |
| 観察箇所数 | 一部分の偏りを避けるため |
| 明るさ・焦点 | 見落としを減らすため |
一枚の写真だけでなく、離れた場所を3〜5視野観察します。
理解する
図では、スケールバーの写真上100 mmが実物5 mmを示すため、倍率は20倍です。結晶の写真上の最長径65 mmを20で割り、実物3.25 mmと求めます。
斑状組織では、斑晶の最長径だけでなく、斑晶が視野面積の何%ほどを占めるかも記録します。石基は細かすぎて一粒ずつ測れない場合、「0.1 mm未満」など観察限界も書きます。
等粒状組織では、20個程度の結晶を測り、範囲と中央値を記録します。平均だけだと、二つの大きさの集まりを見落とすことがあります。
観察限界より小さいものを「結晶がない」としません。見えないことと、存在しないことは別です。
使う
試料Aを20倍写真で測りました。
- 大きい結晶:写真上40〜100 mm
- 周囲の粒:写真上2 mm未満
- 大きい結晶の面積割合:約18%
実寸へ直すと、大きい結晶は2〜5 mm、周囲は0.1 mm未満です。はっきり二つの大きさに分かれるため、斑状組織と判断できます。
試料Bは、実寸1.8〜3.6 mmの結晶が全体に組み合わさり、0.1 mm未満の細かな部分はほとんどありません。多少の幅はありますが、斑晶と石基の二群ではないため等粒状組織です。
誤った記録:
「Aは大きな結晶が目立つので深成岩だ。」
大結晶の周囲が細かな石基であることを見落としています。組織は一つの結晶ではなく、全体の大きさの組合せで判断します。
転用する
写真CとDで、写真上の結晶が同じ20 mmに見えました。
- Cの倍率:10倍
- Dの倍率:50倍
実物はCが2 mm、Dが0.4 mmです。見た目が同じでも実寸は異なります。
複数視野で結果が違う場合は、試料が均一でない可能性があります。視野ごとの結果を隠さず、測定位置を図に残します。
| 視野 | 斑晶の面積割合 |
|---|---|
| 1 | 12% |
| 2 | 17% |
| 3 | 3% |
| 4 | 15% |
視野3だけが低いので、全体を3%としません。複数視野の中央値や範囲を示し、偏りも説明します。
確認1:写真上60 mm、倍率20倍の結晶の実寸は?
60÷20=3 mmです。確認2:石基の粒が見えないと「結晶がない」と言える?
言えません。観察倍率では分けて見えない可能性があるため、「観察限界未満」と記録します。確認3:一視野だけで組織を決めない理由は?
岩石中で斑晶の分布が偏ることがあり、一部分が全体を代表しない可能性があるからです。まとめ
岩石写真は倍率・スケールを確認し、最長径など測り方をそろえ、複数視野で測ります。斑晶・石基の二群か、同程度の結晶の集まりかを数値で判断します。次は、このサイズ分布がどのような冷却の二段階でできたかを説明します。
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