鉱物割合と組織データから火成岩名を判定しよう
このレッスンは「鉱物と火成岩を分類する」6レッスン中の4番目です。前のレッスンで作った2行×3列の表を、写真・表・割合グラフの読み取りに使います。名前の暗記ではなく、資料から行と列を一つずつ決める技能を完成させます。
前から受け取る力:組織と鉱物割合の二軸で六つの火成岩を整理する
今回完成させる力:組織資料と鉱物割合データを読み、二つの根拠で岩石名を判定する
次へ渡す力:一つの目立つ特徴に引っぱられた分類の誤りを見抜く
まず知る
データ問題は、次の順番で読みます。
- 資料の凡例、単位、倍率、合計を確認する。
- 組織から火山岩か深成岩かを決める。
- 無色鉱物と有色鉱物の割合から、左・中・右の列を決める。
- 行と列の交点から岩石名を選ぶ。
- 組織と鉱物割合の二つを根拠として書く。
割合の表では、石英・長石を無色鉱物、黒雲母・角閃石・輝石・かんらん石を有色鉱物として合計します。ただし、問題に別の分類や境界が示されている場合は、その凡例を使います。
理解する
割合は、岩石表面の何割がそれぞれの鉱物に見えるかを数えて推定します。たとえば100点を無作為に選び、石英20点、長石55点、有色鉱物25点なら、無色鉱物は20+55=75点、つまり75%です。点を一か所に集めず全体に散らすのは、岩石の一部だけを見た偏りを減らすためです。
この例題では、便宜上、次の判定基準が資料に示されているとします。
| この問題での無色鉱物割合 | 列 |
|---|---|
| 65%以上 | 無色鉱物が多い |
| 35%以上65%未満 | ほぼ中間 |
| 35%未満 | 有色鉱物が多い |
この数値は、すべての岩石に共通する絶対的な境界ではありません。実際の岩石には連続的な変化があり、入試問題では与えられた表・写真・凡例を使って判断します。
もう一つ大切なのは、組織の見方です。大きな結晶が一つあるだけで等粒状組織とは決まりません。視野全体を見て「細かな石基と斑晶に分かれる」なら斑状組織、「結晶がほぼ同じ大きさで組み合う」なら等粒状組織です。
使う
資料A:斑状組織、石英25%、長石50%、有色鉱物25%
無色鉱物は25+50=75%です。斑状組織なので火山岩の行、75%なので無色鉱物が多い列です。交点から流紋岩と判定します。
資料B:等粒状組織、石英10%、長石35%、有色鉱物55%
無色鉱物は10+35=45%です。等粒状組織なので深成岩の行、45%なので中間列です。交点からせん緑岩と判定します。
資料C:斑状組織、長石20%、輝石55%、かんらん石25%
無色鉱物は20%、有色鉱物は55+25=80%です。火山岩の行と有色鉱物が多い列の交点から、玄武岩と判定します。
良い記述は「資料Cは黒っぽいので玄武岩」ではありません。「細かな石基と斑晶からなる斑状組織で、有色鉱物が80%と多いため玄武岩」と、二つの資料を使います。
確認1:直接確認
等粒状組織、無色鉱物70%なら、この問題の基準で何ですか。深成岩の行と無色鉱物が多い列の交点なので花こう岩です。確認2:誤りを修正
石英15%、長石30%、有色鉱物55%を「石英があるから花こう岩」とした誤りを直してください。無色鉱物は45%で中間列です。さらに組織資料がないため、せん緑岩か安山岩かはまだ決められません。確認3:別資料へ転用
鉱物割合は有色鉱物80%ですが、写真の倍率が違い組織を比べられません。何が追加で必要ですか。同じ倍率またはスケール付きの全体写真で、斑状か等粒状かを確認する必要があります。転用する
初見資料で合計が100%にならないときは、まず「その他」や四捨五入の注記を探します。注記がなければ計算や転記の誤りを疑います。また、一つの視野だけで割合が大きく変わるなら、観察点を増やして平均します。
判定が境界付近なら、無理に断定せず「与えられた基準では中間列だが、境界に近い」と書けます。科学では、根拠の強さに合わせて結論の強さを調整します。
ここまでで、観察事実を数値にし、行と列から六つの火成岩を判定できました。次は、色だけ、石英の有無だけ、大きな結晶一つだけで決めてしまう典型的な誤答を、二軸に戻して修正します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。