組織と鉱物割合の二軸で六つの火成岩を整理しよう
このレッスンは「鉱物と火成岩を分類する」6レッスン中の3番目です。前のレッスンで集めた鉱物の観察記録を、岩石全体の分類へ広げます。六つの名前をばらばらに暗記せず、「組織」と「無色鉱物・有色鉱物の割合」という二つの軸で位置づけます。
前から受け取る力:鉱物を複数の特徴で観察し、事実と判定を分ける
今回完成させる力:六つの火成岩を2行×3列の表に置き、なぜその位置か説明する
次へ渡す力:組織と鉱物割合のデータから、未知の火成岩名を判定する
まず知る
代表的な火成岩は、次の二軸で整理します。
- 組織の軸:斑状組織なら火山岩、等粒状組織なら深成岩
- 鉱物割合の軸:無色鉱物が多い、ほぼ中間、有色鉱物が多い
| 無色鉱物が多い | ほぼ中間 | 有色鉱物が多い | |
|---|---|---|---|
| 火山岩・斑状組織 | 流紋岩 | 安山岩 | 玄武岩 |
| 深成岩・等粒状組織 | 花こう岩 | せん緑岩 | はんれい岩 |
無色鉱物には主に石英や長石、有色鉱物には主に黒雲母・角閃石・輝石・かんらん石があります。ここでいう「無色鉱物が多い」は、岩石の表面が白いかだけではなく、構成する鉱物の種類と割合についての表現です。
理解する
二軸にする理由は、岩石の成り立ちを二つの情報で表すためです。
組織は主にマグマの冷え方を表します。地表付近で急に冷えた火山岩は、細かな石基の中に大きな斑晶がある斑状組織になりやすく、地下深くでゆっくり冷えた深成岩は、同じくらいの大きさの結晶が組み合う等粒状組織になりやすいです。
鉱物割合はマグマの成分の違いを反映します。石英・長石などの無色鉱物が多い側から、黒雲母・角閃石・輝石・かんらん石などの有色鉱物が多い側へ並べます。
そのため、縦に並ぶ二つは鉱物割合が似ています。
- 流紋岩と花こう岩:無色鉱物が多い側
- 安山岩とせん緑岩:中間の側
- 玄武岩とはんれい岩:有色鉱物が多い側
ただし、同じ縦の組でも組織は違います。たとえば流紋岩と花こう岩はどちらも無色鉱物が多い側ですが、流紋岩は火山岩で斑状組織、花こう岩は深成岩で等粒状組織です。「色が似ているから同じ岩石」ではありません。
岩石表面の色は、風化、ぬれ、照明によって変わります。分類に使うのは表面色だけではなく、結晶のそろい方と構成鉱物の割合です。
使う
資料Aは「細かな石基の中に大きな斑晶があり、無色鉱物が多い」とします。
- 斑状組織なので火山岩の行
- 無色鉱物が多いので左の列
- 行と列の交点は流紋岩
したがって資料Aは流紋岩と判定できます。
資料Bは「結晶がほぼ同じ大きさで組み合い、有色鉱物が多い」とします。
- 等粒状組織なので深成岩の行
- 有色鉱物が多いので右の列
- 交点ははんれい岩
資料Cが「斑状組織で、無色鉱物と有色鉱物がおよそ中間」なら安山岩です。答えには必ず「組織の証拠」と「鉱物割合の証拠」の両方を書きます。
確認1:直接確認
斑状組織・有色鉱物が多い岩石は何ですか。火山岩の行と右列の交点なので玄武岩です。確認2:誤りを修正
「白っぽいから花こう岩」とする答えの不足は何ですか。組織を確認していません。斑状組織なら流紋岩、等粒状組織なら花こう岩の候補になります。確認3:別資料へ転用
等粒状組織で、無色鉱物と有色鉱物がほぼ中間なら何ですか。深成岩の行と中間列の交点なので、せん緑岩です。転用する
未知資料では、名前を思い出す前に二本の問いを立てます。
- 結晶の大きさは、石基と斑晶に分かれるか、ほぼそろっているか。
- 無色鉱物と有色鉱物のどちらが多いか、それとも中間か。
一つ目で行、二つ目で列を決め、交点から岩石名を選びます。資料の鉱物割合が境界に近い場合は、問題に示された分類基準を優先し、「中間に近い」など不確かさも言葉にします。
この二軸表は単なる暗記表ではなく、観察結果を圧縮した地図です。次は鉱物割合を数値で示した棒グラフや組織写真を読み、同じ二軸を使って六つの火成岩を判定します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。