震源の深さと震源距離を立体的に説明しよう
このレッスンは「地震の震源と震央」6レッスン中の3番目です。前のレッスンで平面図と断面図を対応させました。ここでは観測点・震央・震源を三角形として見て、「横の距離」「縦の深さ」「斜めの距離」を区別します。
前から受け取る力:平面図と断面図へ震源・震央を置く
今回完成させる力:震央距離・震源深さ・震源距離の三つを位置関係から説明する
次へ渡す力:地図・断面・距離データから震源位置を読む
まず知る
観測点A、震央E、震源Hを考えます。
- 震央距離:観測点Aから震央Eまでの地表に沿った距離
- 震源の深さ:震央Eから震源Hまでの鉛直距離
- 震源距離:観測点Aから震源Hまでの地下を含む直線距離
断面図では、A・E・Hが直角三角形の三つの頂点になります。AからEが横、EからHが縦、AからHが斜めです。
理解する
震央距離と震源距離を同じにできるのは、震源の深さを無視した場合だけです。実際には震源Hが地下にあるため、観測点AからHへ斜めに結ぶ震源距離は、AからEへの震央距離より長くなります。観測点が震央の真上にある場合は震央距離が0 kmでも、震源距離は震源の深さと同じだけあります。
たとえば、震央距離が40 km、震源の深さが30 kmの模式図を正しい縮尺で描くと、震源距離は50 kmになります。これは3:4:5の直角三角形です。中学1年の段階では一般公式を暗記する必要はありません。縮尺図を描いて定規で測る、または問題が示す対応表を読むことで位置関係を確かめます。
深い震源ほど、同じ震央距離にある観測点までの震源距離は長くなります。ただし、震源距離が長いほど揺れが必ず単純に弱くなる、と一つの条件だけで決めることはできません。地盤や断層の広がりなど別の条件もあります。
地球は球形なので長い距離では地表は曲がっていますが、中学校の小さな範囲の模式図では地表を平らに近似することがあります。図が何を省略したモデルかも意識します。
使う
例1:観測点Aが震央Eから地表に沿って20 km離れ、震源の深さが15 kmです。
- 20 kmは震央距離
- 15 kmは震源の深さ
- 観測点Aから地下の震源Hまでの斜めの長さが震源距離
震源距離は20 kmでも15 kmでもなく、両方を含む斜めの距離です。正しい縮尺で描けば25 kmになる3:4:5の形です。
例2:観測点Bが震央そのものにあります。震源の深さは50 kmです。
- 震央距離は0 km
- 震源距離は50 km
「震央にあるから震源距離0 km」という答えは、地下方向を消してしまっています。
例3:同じ震央から10 km離れた二つの観測点でも、地表の高さや地球内部での実際の伝わり方を厳密に扱う場合は追加条件が必要です。模式図では何を近似しているかを確認します。
確認1:直接確認
観測点から震源までの直線距離を何といいますか。震源距離です。確認2:誤りを修正
「震央距離30 kmだから震源距離も30 km」を直してください。震源が地下にあるため、深さ0 kmでない限り震源距離は斜めとなり、震央距離より長くなります。確認3:別資料へ転用
観測点が震央にあり、震源の深さが80 kmなら、震央距離と震源距離はそれぞれ何kmですか。震央距離0 km、震源距離80 kmです。転用する
初見資料では、距離の名前の直後に向きを書き足します。
- 震央距離=横
- 震源の深さ=縦
- 震源距離=斜め
数値を式や表へ入れる前に、どの二地点を結んだ距離かを図に色分けします。名前が似ていても、端点が違えば別の量です。
この考え方は、地下の震源だけでなく、海底地形、地下水、地層の深さなど、地図と断面図を組み合わせる問題にも使えます。次は地図上の座標、断面図の深さ、観測点との距離を一つの資料セットとして読み、震源位置を復元します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。