LESSON 01

火成岩の組織と冷え方

大きな結晶一つで深成岩とする誤答を直そう

一つの大結晶・色・見かけの大きさによる誤答を、全体分布と冷却履歴を使う説明へ修正します。

大きな結晶一つで深成岩とする誤答を直そう

このレッスンの役割

ここは6レッスン中の5番目です。これまでに、組織の見分け、写真測定、二段階冷却、サイズ分布を学びました。今回は、一つの目立つ結晶や色だけで分類する誤答を修正します。

今回完成させる力は、誤答の最初の飛躍を見つけ、岩石全体の分布と冷却履歴を使う説明へ直すことです。次の最終レッスンでは、尺度つき未知写真を総合判定します。

まず知る

典型的な誤答を整理します。

誤答 最初の誤り 修正
大結晶があるから深成岩 一つを全体扱い 周囲が石基か見る
粒が見えないから結晶なし 観察限界を無視 倍率を上げる
全部同じ色だから等粒状 色とサイズを混同 結晶径を測る
斑晶は大きいので最後にできた 成長時間を逆にした 斑晶が先、石基が後
平均2 mmだから一群 分布を平均で隠した 山の数を見る
写真上で大きいから大結晶 倍率を無視 実寸へ換算

修正順序は「尺度→全体分布→斑晶と石基→冷却履歴」です。

理解する

一つの大結晶から深成岩とする誤答を修正する図目立つ一結晶だけでなく周囲の細かな石基と岩石全体を測り、斑状組織と二段階冷却へ修正する「大結晶=深成岩」大結晶+細かな石基修正斑状組織地下で斑晶地表で石基二段階冷却目立つ部分から視野全体へ観察を広げる

一つの大結晶だけを切り取ると、等粒状組織の一部にも斑状組織の斑晶にも見えます。周囲を見て初めて区別できます。

  • 周囲が同程度の結晶:等粒状の可能性
  • 周囲が非常に細かい石基:斑状の可能性
  • 周囲が写っていない:判定不能

石基は「結晶ではないただの粉」ではありません。細かな結晶や、急冷で結晶として十分成長できなかった部分などからなります。

使う

誤答A:

「5 mmの結晶が一つあるので等粒状組織である。」

修正:

「一つの結晶だけでは判定できない。周囲が0.1 mm未満の細かな部分で、同様の大結晶が点在するなら斑状組織である。同程度の結晶が全体に組み合わさるなら等粒状組織である。」

誤答B:

「写真Aは写真Bより粒が大きく見えるので、Aの結晶が大きい。」

Aは50倍、Bは10倍でした。写真上の見かけではなくスケールバーから実寸へ直します。

誤答C:

「斑晶は大きいので、石基の後に急にできた。」

結晶は急に大きくなりません。斑晶は地下で先に成長し、残りが後で急冷して石基になります。

誤答D:

「平均結晶径が同じなので、二つの試料は同じ組織である。」

平均が同じでも、一方が二群、他方が一群なら組織は異なります。ヒストグラムや範囲を確認します。

転用する

未知写真Eには、白い大結晶が一つと黒い細粒部が写っています。しかし写真範囲が2 mm四方しかありません。

斑状組織の可能性はありますが、視野が狭すぎます。別の場所も撮影し、大結晶が繰り返し現れるかを確認します。

未知試料Fには大結晶が多数ありますが、周囲も1〜3 mmの結晶です。これは「大結晶が多数」という印象だけなら斑状に見えますが、実際は同程度の結晶が組み合わさる等粒状の可能性があります。

答案修正のチェック:

  1. 倍率・スケールはあるか
  2. 一つでなく全体を見たか
  3. 大きさの山は一つか二つか
  4. 斑晶と石基を正しく対応したか
  5. 冷却の順番は合っているか
  6. 証拠不足を断定していないか
確認1:大きな結晶一つで深成岩とできない理由は?斑状組織の斑晶か、等粒状組織の一部か区別できず、周囲のサイズ分布が必要だからです。
確認2:「斑晶は後からできた」が誤りなのはなぜ?大きな斑晶は地下で長く成長して先にでき、残りが後で急冷して細かな石基になるからです。
確認3:平均値が同じ二試料で見るべき追加情報は?サイズ分布の山の数、範囲、面積割合、複数視野での再現性です。

まとめ

一つの大結晶、色、写真上の見かけ、平均値だけで組織を決めません。尺度を確認し、岩石全体のサイズ分布から斑晶・石基・等粒性を読み、冷却履歴へつなぎます。次は未知写真でこの修正力を使います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。