斑状組織はなぜ二段階の冷却でできる?
このレッスンの役割
ここは6レッスン中の3番目です。前のレッスンでは、斑晶と石基の実寸を同じ倍率で測りました。今回は、大きさが二群に分かれる理由を、マグマが通った場所と冷却速度の変化から説明します。
今回完成させる力は、「地下でゆっくり→地表付近で急に」という二段階の冷却履歴を、斑晶と石基へ対応させることです。次は結晶サイズ分布のデータから、この履歴を自力で読みます。
まず知る
斑状組織は、同じマグマの冷却速度が途中で大きく変わることでできます。
- 地下で比較的ゆっくり冷える
- 一部の結晶が大きく成長する
- マグマが上昇または噴出する
- 地表付近で残りが急に冷える
- 大きな斑晶の周りに細かな石基ができる
斑晶は先に地下で成長した大きな結晶です。石基は、斑晶以外の残ったマグマが地表付近で急冷してできた細かな部分です。
等粒状組織は、地下深くで全体が長い時間ゆっくり冷え、同程度の結晶が互いに成長して組み合わさることでできます。
理解する
「斑晶は地下、石基は地表で別々の岩石が混ざった」と考えるのは誤りです。多くの場合、同じマグマの中で、できた時期と冷却速度が異なります。
斑晶が先、石基が後です。大きいものが後から急にできたのではありません。結晶が大きくなるには時間が必要だからです。
等粒状組織では、斑晶と石基という二段階がはっきりしません。地下深くで全体がゆっくり冷え、結晶が互いに成長します。
使う
資料A:
- 斑晶:2〜5 mm
- 石基:0.05 mm未満
- 斑晶中心部の形成:地下3 km付近
- 石基の固化:地表の溶岩流
説明:
「マグマは地下3 km付近で比較的ゆっくり冷え、2〜5 mmの斑晶が先に成長した。その後地表へ噴出し、残りのマグマが急冷して0.05 mm未満の石基になったため、斑状組織ができた。」
資料B:
- ほとんどの結晶:2〜4 mm
- 地下深くの岩体
- 地表へ噴出した証拠なし
全体が地下深くでゆっくり冷えた等粒状組織と考えられます。
誤答:「斑晶は石基より大きいので、石基より後にできた。」
大きいから後ではありません。長く成長した斑晶が先にでき、残りが後で急冷して石基になります。
転用する
未知試料Cには、大結晶・中結晶・細かな部分の三群がありました。冷却速度が二回ではなく、複数回変化した可能性があります。斑状組織という基本モデルは有効ですが、自然の履歴は常に二段階だけとは限りません。
未知試料Dでは、斑晶の外側だけ成分が異なる層になっています。マグマが上昇中に温度や周囲の条件が変わり、結晶の成長条件が変化した可能性があります。詳しい成分は後の学習範囲ですが、結晶が履歴を記録することは読み取れます。
モデルは「地下でゆっくり→地表付近で急に」が基本です。資料が合わない場合は、倍率、別試料の混入、複数回の上昇などを調べます。
確認1:斑晶と石基はどちらが先にできる?
斑晶が地下で先に成長し、残りのマグマが地表付近で急冷して石基になります。確認2:「斑晶と石基は別の岩石が混ざった」が誤りなのはなぜ?
同じマグマが異なる時期・冷却速度で固まり、大きな斑晶と細かな石基になったものだからです。確認3:三つの結晶サイズ群があるとき何を考える?
冷却速度が複数回変化した可能性を考え、形成位置や結晶内部の記録を追加で調べます。まとめ
斑状組織は、地下でゆっくり冷えて斑晶が先に成長し、地表付近で残りが急冷して石基になる二段階でできます。等粒状組織は地下深くで全体がゆっくり冷えてできます。次は、サイズ分布表からこの履歴を読み取ります。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。